「EAは勝てるの?」「たくさん稼ぐにはどうしたら良い?」
そんなテーマについて、日本屈指のEA有識者が対談!
EA界隈で一大勢力を築きつつある波のゆくさきΣArmadaさんと、EAでロビンスカップ準優勝を成し遂げたTrader Kaibeさんが、他所では話せない本音をぶちまけてくれました。
聞き手◉鹿内武蔵/本文◉蛯澤路彦
EAユーザーのための実践的コミュニティ
Trader Kaibe(以下TK)「Twitterを拝見していると、MMUというコミュニティの運営を積極的に行われているのが分かります。まずはMMUについて教えていただけますでしょうか」
波のゆくさきΣArmada(以下アルマダ)「漠然とした回答になってしまうんですが、EA界隈の開発者と利用者両方のリテラシー向上に努めています。今は詐欺的なEAが多く出回っているので、EA利用者が不利益を被らないように、ボクだけではなくいろいろな開発者が正しい情報を発信できる組織を目指しています。
例えば、EA利用者が売り手の言いなりでEAを回すんじゃなく、しっかりバックテストするようになれば良いなと。最初は三人に一人でも良いんです。そんな小さな一步から、EAについてのリテラシーが高まってほしいと願います。最近、無料EAを配ってバックテストの重要性を説いていたところ、バックテストをする人が増えました。そんな変化を肌で感じています」
TK「MMUは初心者から上級者へ最短距離でレベルアップできる場所なんじゃないかなと思います。初心者って、成長の仕方を間違えることが多いんですよね。それをみんなで『こうしたほうが良い』と助言することで間違いを防いでくれます。
自分が初心者のころに、こういう集まりがあれば良かったなって思いますね。私は独学でやっていたので、初心者から中級者の間がかなり長く続いてしまいました。そのあたりの苦労が何分の一にも縮小できるのは、とても効率的ですね」
アルマダ「プログラマー体質の人が集まるところは、あまりないですからね。そこに価値があると思っています」
TK「EAトレードは、プログラマーが向いているわけでもトレーダーが向いているわけでもなくて、どちらも柔軟に対応できる人が一番強いですよね。腕の良いプログラマーが勝てるわけではなく、かといって裁量トレーダーだとプログラミングができないから、EAトレードはできるようにならない。トレードもできるし、MQL4もできるという人が集まるのが、一番良いんじゃないかなと思います」
アルマダ「裁量を完全に諦めた人が来てくれるのも良いと思っています」
TK「そうですよね。裁量に比べてEAが優れているところは、損切りができないなどのメンタルに影響を受ける部分が機械的に行える点です。私は損切りができないタイプだったんですが、EAのおかげで克服できました」
アルマダ「メンタルでいうと、開発者も利用者もそうなんですけど、EAの調子が良かったり悪かったりするときに、裁量で介入してしまう失敗例がありますね。欲望が抑えられずに裁量でトレードしてしまうという」
TK「メンタルの克服は難しいですからね。MMUとしては、多くの失敗例と成功例を集積したノウハウを作ると良いんじゃないでしょうか」
アルマダ「マニュアル化するアイデアは、良いかもしれないですね。自動売買でやっちゃいけないことって、ほとんど一緒なので」
TK「私は自分で試行錯誤して、自分で納得して終わることが多かったです。アウトプットを全くしていませんでしたが、自分でつかんだことをいろんな人に伝えていくのは理想的ですね」
アルマダ「でも、私はKaibeさんの情報発信から学習させてもらいましたよ。FX界隈の方を一通り見た中で、ボクが王道だなって思う道を行っていました」
TK「それは嬉しいですね。MMUの運営は大変だと思いますが、どんなところに意義を感じていますか?」
アルマダ「コミュニティは過去からいくつもやった経験があるので、運営面は大変だと思っていません。MMUの主義として『実力が全てだ』と言い切っていて、運用のフォワードを全公開しています。実力で証明しなきゃって緊張感でやっていますが、やっぱりうまくいかなくなったらどうしようと思う部分はありますね。そういう意味では、グループを継続するために、自分が実力を証明し続けなきゃならないのが、一番大変かもしれません」
TK「ところで、MMUにはどうすれば加入できるんですか?」
アルマダ「今は新規募集をあまりしていないんですけど、Twitterなどで不定期に募集していることがあります。最初の2か月ほどはオープンチャットでMQLの勉強などをしてもらって、その勉強をしっかりしている人だけ正式に加入してもらっています。無料だからたくさん応募が来ちゃうんですけど、勉強した人だけ残る形式です」
ドローダウンに耐えて回復する体験をせよ!
編集部「お二人は投資に長く関わっていると思うんですが、5年前や10年前と比べて個人投資家のレベルは上がったと思いますか?」
アルマダ「個人投資家のレベルはもちろん上がったと感じますし、発信者の質も上がったんじゃないかと思います」
TK「質の良い情報がすごく増えたから、個人投資家のレベルも上がりやすくなっているんでしょうね。ただ、成功しやすい人、成功しにくい人でいうと、自分で考えて自責にできる人は成功しやすいし、自分で考えずに他責にしやすい人は成功しにくいと思います。
気をつけなければならないのが、FXはゼロサムゲームであって大半の人は成功できないということです。上級者が初心者をカモにする構図になっているんですね。初心者がどうあらがっても、それは変わらないので開き直って諦めるしかないです。そこでいかに被害を最小限に食い止めながら、経験を積み上げるかが重要です」
アルマダ「EA界隈でいうと、まだまだ未成熟だと思います。世間には優秀なEAも詐欺的なEAもごちゃごちゃになって出回っています。これって、初心者には見分けがつかないですよ。EAの販売サイトでは、優秀なEAもダメなEAも同じ価格で売っているのが現状です。本当に優秀なEAが埋もれてしまっているのは、業界にとって良くないことだと思います。
今は一般的なEAの相場は3~5万円くらいですが、詐欺的な悪さをする人たちは20万円くらいでEAを売っています。真面目な開発者よりも、悪さをする人に流れるお金が多いんです。この状況は、長い時間をかけてでも逆転させていきたいですね。
そのためにも、MMUでちゃんとEAに取り組んでいる人をブランディングしていきたいです。今はMMU杯というトレードバトルを行っていますが、これを何回も繰り返すことで実力者をブランディングできると思います。実力で、業界を変えたいですね」
編集部「EAの利用者は、どうすればうまく運用できると思いますか?」
アルマダ「まともなロジックのEAが手元にあることを前提とするんですが、EAを回してDD(ドローダウン)しながらも右肩上がりの成績になることを一回でも経験することが大事ですね。それさえ体験してもらえれば、あとは成長していけると思うんです。じゃあその第一ステージをどう体験するんだっていうきっかけを、MMUで作ったり発信していきたいです。
現在はナンピンマーチンなどのリスクEAの勢力が強すぎて、ボクたちの声が届かない状況だと思います。やっぱり派手に稼げる方に目が向くのは仕方がありません。でも、どこかでこちら側のEAを体験してもらわないといけないですね」
TK「そうですね、成功体験が一回でもあれば、このEAのやり方が正しいと身に染みて分かります」
アルマダ「ボクがBO(バイナリーオプション)界隈でやっていたグループでは、自動売買を渡して成功経験させるための教育をしました。でも、半分の人はダメでしたね。DDに耐えられないんです。逆に言えば、それを耐えられた人たちが今でも残ってくれています。そんな傾向を、今のFX界隈でも感じています」
TK「DDと、そこからリカバリーしていく体験も必要ですね」
アルマダ「EAでの成功体験は、必ず優秀なEAが必要なわけではありません。それほど精度が高くないEAであっても、DDに耐えれば成績が上がっていく体験をできるでしょうね。口を酸っぱくして言いますが、これは体感してもらうことが大事です」
TK「体感しないと絶対に分かりません」
アルマダ「ボクは、EAがすごく調子が良いときには『いつDDが来てもおかしくない』とツイートしています。DDに備えた心の準備ですね。そして、DDを受け入れ、そこから回復したときにはやっぱり安堵します」
TK「EAは、負けるときは負けるますからね。そのDDに対してどうするかが、非常に重要な問題です」
アルマダ「預貯金や債券ではないんですから、直線的にお金が増え続けることは絶対になくて、必ずDDに直面します。そのDDをいかに体験するかですね」
初心者を誘惑するナンピンマーチン
アルマダ「ボクはナンピンマーチンを完全否定しているんですけど、例外的にDD(ドローダウン)を想定に組み込んだロジックならありだと思います。例えば、年に4回投入資金が溶けても、年に6~7回は投入資金が倍になるという統計が取れているのであれば、別に問題はないです。私はやらないですけど」
TK「利用者のリテラシーも問題で、どんなに提供側が丁寧に説明しても、有り金を突っ込んでしまう人がいるんですね。ナンピンマーチンは上級者向けの戦略だと思います。初心者はDDをコントロールできないから、全損して再起不能に陥ってしまうんです。一般的なEAならDDが限定されるので、全損までにはならずに仕切り直しができるんですが」
アルマダ「理屈の上ではナンピンマーチンは上級者向けなんですが、現実的には上級者はナンピンマーチンをやってないんですよね(笑)。ボクはナンピンマーチンをやらないのが王道だと思っています」
TK「私の知り合いの上級者には、ナンピンマーチンを有効に使っている人がいるんですよ。使い方としては、自分の資産を10等分とか20等分にして、その小分けにした資金だけを投下するようです。仮にその小分けした分が溶けたら、次の分を使ってというやり方です。大きな視点で見れば、単一ロットで回しているのと一緒だとも解釈できます。ナンピンマーチンと資金管理を組み合わせた考え方ですね」
アルマダ「資金管理は絶対に必要ですよね」
TK「上級者の場合、ナンピンマーチンを使いこなすには、損切りが必要だって発想になります。だから、ナンピンマーチンを使っても、うまく運用できるんです。初心者との差は、損切りを想定に入れているかどうかですね」
初心者がドローダウンを克服する方法
編集部「では、初心者がDD(ドローダウン)をしっかり学ぶためには、どうすれば良いでしょうか?」
アルマダ「一番良いのは、低資金で運用することですね。それでDDの経験を積むしかない。高資金で始めてしまうと、どうしてもメンタルが病んでしまいがちです。ボク自身も大きい金額でさんざん失敗して、もう止めようと思ったこともありました。でも、少しの資金で放置していたものがうまくいったことで、その経験が今の力になっていたりします」
TK「そうですよね、スタートは低資金がお勧めです。私も10万円台、100万円台、1000万円台のそれぞれでDDを経験する中で、考え方や耐性が成長しました」
アルマダ「一般の人だと、最初から100万円の運用は大きすぎますよね。20万円入れるのも不安じゃないかと思います。でも、5万円、1万円だったら、不安が小さくなるかもしれません。その許容できる範囲で、増えたり減ったりする波を経験していくことが大事ですね。
Kaibeさんがたまにツイートしているんですけど、EAがある程度DDしている局面を入口にするのも良いかなと思います。初心者はDDしているところで止めてしまうんですけど、実はそこがロットを上げられる場所でもあります。この考え方は賛否ありますが、実際にボクが自分のお金を運用した経験から、これが一番良いと思っています」
TK「負け始めたらEAを止める、勝ち始めたらロットを上げるというのは、実は悪手なんですよね」
アルマダ「そうですね、みんな逆をやってしまうんです。あれこれいじらずに、単一ロットで2~3年放置するというのが、一番良い経験になるかもしれませんね」
TK「下手にいじるのではなく、放っておくことから始めてみるのも良さそうですね」
アルマダ「余計なことをしないという経験が、3年くらいは必要だと思います。でもほとんどの人は、慣れてきた2年目くらいから余計なことを始めちゃうんですよね。それで失敗するケースは多々あります」
編集部 「『余計なことをするな!』ということですね」
アルマダ「数年前のEAでも、バックテストしてみると実は勝っているものが結構多いんです。ただ販売時期に調子が悪かったということで、ほとんどの人は稼働停止しているという例があるんですね」
TK「そういうEAがたくさんありますよね。利用者側の問題があるとすれば、DDの波があることを前提にしていないことでしょうね。DDはほとんどせず、右肩上がりの成績を望んでいる。現実として、優れたEAでも必ず負けるときがあります。
例えば、理論上の最大DDがこれくらいという数値を、全然見ないで運用し始める人がいます。私は、利回りというのは最大DDの数値とセットで考えないといけないと思っています」
編集部「ほとんどの初心者は、瞬間火力だけを見ているんですよね」
TK「『年利30%出る』というEAがあった場合、その一方で『最大DD20%』という情報も合わせて頭に入れて運用しないといけません」
アルマダ「DDを見る場合のコツとして、他作のEAの場合は最大DDを倍に見積もると良いかもしれません。というのも、最大DDを小さくするために最適化したEAもあるからです。上級者だと勝率やSL(ストップロス)などの要素から、本来の最大DDをある程度予測できるんですが、初心者には難しいですね。
ちなみに、Kaibeさんやボクの作るEAは最適化を嫌うので、ある程度最大DDを信用してもらっても良いと思います」
インフルエンサーの情報発信について
編集部「最近はYouTubeやTwitterでのマーケティングがうまい人に注目が集まり、発言力が高まっている傾向があります。その人が本当に良い情報を発信しているかどうかは度外視され、マーケティングで勝っているか負けているかが人気の基準になっていそうです。長年FX業界に携わっているお二人から見て、今の業界はいかがでしょうか?」
TK「インフルエンサーによる情報発信は、賛否両論があると思います。情報が良いか悪いかって、受け手の立場によって変わると思うんです。初心者にとっては、中級者にステップアップできる情報が有意義ですが、上級者の実践的な情報はレベルが違いすぎて役に立ちませんよね。一方、中級者の壁を乗り越えようとしている人にとっては、上級者の情報がヒントになる可能性は多いにあります。
その観点から、最近のFX系インフルエンサーは初級者を中級者へ導いてくれているので、存在としてはとても有意義だと思います。一昔前に比べたら発信する人が増えていて、初心者が効率良くステップアップできるようなコンテンツが揃って、かなり良いと思っています」
アルマダ「この世界には、良いものも悪いものもあったりして、その中からどれを選ぶかは経験だと思います。はめ込みで初心者を食い物にするような人たちからは守らなきゃと思いますが、あまり過保護になりすぎる必要はないかと」
TK「かつてに比べたら良い情報も悪い情報も増えました。とはいえ、良い情報の質も量も向上しているので、結構健全化されている気がしています」
アルマダ「FXはゼロサムゲームなので、初心者の人がどれだけ残ってくれるかが大事です。今って、海外のブローカーで一気にはめ込みをしている事例があるじゃないですか。あれは業界から相当な金額を奪っています。それだけの金額を奪われる上に、新規参入者も潰されるというのは見過ごせません。初心者が生き残って、業界が大きくなって、ブローカーも潤って、その上でゼロサムゲームをするという図式の方が絶対に良いと思います」
裁量と自動売買どっちが良い?
編集部「裁量トレードと自動売買を比較すると、どちらが稼げるでしょうか?」
TK「どちらが優れているか、稼げるかというと、本質的にはそんなに違いがないと思っています。ただ、問題はFX業界というかFXブローカーにあると思っています。裁量トレードができるFX会社と、自動売買ができるFX会社では、規模がぜんぜん違います。裁量の方が圧倒的に規模が大きいから、億トレになりましたみたいな人がいっぱい排出されています。
一方、自動売買だけで億トレになりましたという人はあまり出ていませんよね。これはただ単に、FX会社の規模の問題だけです。自動売買の方はリクイディティが小さすぎて、いっぱい稼げる人がいない、億トレになれる人があまりいないんです。だから本質的にはどっちがどれだけ勝てるかというのは変わらないと思います」
編集部「裁量と自動売買とでは、プレイヤー数が100倍とか違いますもんね」
アルマダ「ボクは総合的に見ると、自動売買の方が稼いでいる人の割合が多いと思います」
TK「プレイヤー全体に対して、プラスになっている人の割合が多いということですね」
アルマダ「あとは、勝っているという話が本当か嘘かって観点もありますね」
TK「裁量トレードで大きく稼いでいる人は、市場から抜いているのではなく、FX会社から抜いているんですよね。だから口座が凍結されて、それが騒ぎになりやすいです」
編集部「OTC(相対取引)に勝っているという感じですね」
TK「FX会社ももちろん大きいお金は持っていて、リクイディティも大きいです。そこからプレイヤーはポンポン抜いて稼ぐことができます。厳密にいったら自動売買も同じですが、裁量トレードのFX会社の方が大きいから、プレイヤーが取れる額が大きいという話です。
例えば、超大手が自動売買を始めますとなった瞬間に、あっという間に自動売買と裁量の比率がひっくり返るでしょうね」
編集部「許される限りのロットでトレードする人が現れますよね」
TK「自動売買があまり普及しないのは、まさしくそこに問題があると思っています。ロットを張れるなら、人が集まりますよ」
アルマダ「国内FX会社が、自動売買を普及させなくしてますよね」
TK「それは先ほどアルマダさんがおっしゃった、自動売買の方が勝てる人の割合が多いということに関係しているんだと思います。つまり、FX会社側から見れば、自動売買の方が儲からないわけです」
アルマダ「自動売買には、カバーが難しい取引も多いですからね。そんな条件下だと、じゃあ事業としてやる必要がないよね、という判断になってしまいます」
TK「自動売買の方がユーザーフレンドリーですよね。裁量と完全に同じ土俵だったら、自動売買の方が圧倒的に勝ちやすいんだと思います。一番大きいのはメンタル面で、やはり人間のメンタルがどれだけトレードの邪魔をしているかが大きいです。裁量に比べれば、行動バイアスを排除することが可能です」
編集部「アルマダさんは裁量も自動売買もどちらもされていて、裁量の規模の方が大きいとうかがっています。それでもなお自動売買でやるのは、どのような意図があるんでしょうか?」
アルマダ「ボクは裁量トレードの空き時間で、自動売買をやっています。個人的には裁量が好きなのでやっていて、自動売買をやる理由は人を勝たせることができるからです。
無料EAをロット制限や人数限定で配布していますが、それは興味を持ってくれた人に教えたり、自分で稼げる能力をつけてもらうのが目的です。自動売買を勉強してもらうことによって、勝たせることができる人数も多いんですよね」
TK「再現性が非常に高いですからね」
アルマダ「一方、裁量トレードは一生懸命教えても100人に5人も勝てないし、下手したら1人か2人が勝てるくらいです。でも、自動売買ならば、15人以上は勝たせられると思います。
フラットに考えて、やるなら自動売買の方が良いと思います。みんなは壁を作ってしまいがちだけど、MQLって勉強してみたら中学英語より簡単なんですよ。仕事だと思って1年やったら、誰でもできるようになると思いますよ」
編集部「たぶん世間一般の認識は、裁量トレードは初心者向け、自動売買が上級者向けというのが多いです。それが実は逆なんですよね?」
アルマダ「ボクはそう思います。ものすごくうまい人、才能がある人、努力できる人は裁量の方が勝てるんでしょうけど、普通の人間は自動売買の方が成績が安定します」
TK「裁量トレードと自動売買は、スタートのハードルが違うんですよ。裁量トレードはすぐに始められるけど、自動売買は始めるまでに結構手間がかかります。その点が、初心者向けじゃないように思えます。でも、実際に始まったら自動売買の方が楽だし、早いから良いんですけどね」
防御に徹していればお金が舞い込んでくる?
編集部「今号は、雑誌全体のテーマとして『どうすれば億トレになれるか?』『大きく稼ぐためにはどうしたら良いか?』という問いを軸にしています。EA運用でこういった願いを叶えるには、どうすれば良いでしょうか?」
TK「大きく稼ぐには、絶対に原資を大きくしないといけないです。というのは、安定して勝てるのは、年利100%くらいのレベルだからです。それよりも高い1000%とかを望むなら、全損する覚悟でロットを張るなどの危険なリスクを背負う必要があります。
何年も長く運用し続けようと考えたら、年利は相応の数値に限定されます。そのため、ものすごく稼ごうと思ったら、原資を大きくするしかないです」
アルマダ「原資を大きくするために必要なのは、徹底的な防御ですね。大金を稼ぎたいという人にはつまらない話になってしまいますが、それが一番近道だと思います。あとは、時間を味方につけることですね」
TK「本業で稼いで、種銭を大きくして、それでトレードでも増やしていくしかないです。トレードだけで大きく稼ごうというのは無理と考えるべきでしょうね」
アルマダ「原資が少ない人たちは、節約してポイント活動して、給料が増えるように頑張って、そういうつまらないことの積み重ねに時間をかけることが大切だと思います」
TK「最初に低資金でDDを経験して、地道にお金を貯めて原資を大きくして、その上で大きく稼ぎましょうという流れが大事ですね」
アルマダ「ボクはかなりのお金を失って、3万円からはい上がりました。低資金ならリスクを取って攻めましょうと推奨する人もいますが、ボクはその低資金をいかに防御できるかと考えました。それでリスクをかけずに、時間をかけてはい上がってきました。
防御していないとドンと減るじゃないですか。その逆に、防御しているとドンと増えることもあるんですよ。その積み重ねが重要です。だから徹底的な防御が必要だと思います」
編集部「とにかく大負けしないことを優先するということですよね。どうしても大勝ちにばかり目が行くじゃないですか。でも、大勝ちは向こうからやってくることがあると。では、最後に読者へメッセージをお願いします」
アルマダ「これから自動売買を利用する人が増えてくると思いますが、提供者の言われるがままに利用するのではなく、バックテストや各種数値を基に判断できるようになってほしいです。
もしバックテストなどで分からないことがあれば、Twitterで質問してくれればお応えします。ボクは初心者が何が分からないのかを知りたいので、質問をもらえると嬉しいです」
TK「まずは少額投資で、DDとそこからリカバリーする体験をしてみてください。そして、防御を固めながらコツコツと原資を増やすことですね。ふわふわした夢の話はお金になりません。堅実にいかないといけませんね」
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)