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FX戦略の構築に役立つ特徴量について[藍崎@システムトレーダー]

FX戦略の構築に役立つ特徴量について[藍崎@システムトレーダー]

当サイト限定マネーパートナーズタイアップ

硬骨の研究者という雰囲気を醸し出す藍崎さんに、自由自在に語っていただく企画です。
今回は、FX戦略の構築に役立つ特徴量について、縦横無尽に解説していただきます。

藍崎@システムトレーダー氏プロフィール
藍崎@システムトレーダー氏プロフィール

クオンツから定量分析を学んで生き残りたい個人トレーダー。システムトレードをする傍ら、MT5でEA開発も行う。よく使うのはMQL5、Python、R、Excel VBA。

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トレードのための特徴量

 今回はFX戦略の構築の役に立つ特徴量にはどんなものがあるのかについて考察していきます。なぜ特徴量を知る必要があるのかのイメージをつかむため、例として欧州オープンからNYオープンまでの値動きの予測モデルについて考えていきます。欧州オープンから①一定幅上がる ②一定幅下がる ③一定時間経過する の3択の答えを予測することで「予測がうまくいけばトレードを有利に行うことができる」という状況を作ることができます。

 意味のある予測にするために、この3択の答えを「欧州オープンまでに入手可能なデータ(特徴量)」を使って説明することが求められます。適切に設計された機械学習のアルゴリズムは、3択の答えを紐づけた特徴量からデータを抽出するように実行されます。この3択の予測はトリプルバリア法というラベリングの方法を参考にしていますが、

●「予測がうまくいけばトレードを有利に行うことができる」というターゲットデータを予測している。
●予測のターゲットを説明できる観測可能な特徴量を用意できる。

 ということが、意味のある予測を成功させるためのカギとなります。

機械学習を用いたFXリターン予測

(※1)CHIEN-HSIU LIN, Tao Liu. 2024では、機械学習を用いたFX戦略が従来の戦略より高いパフォーマンスを発揮する例を挙げています。この論文では長期のFXリターン予測を行っていますが、ここではどのような特徴量が用意されていたのかを表にまとめました。

 これら特徴量でGBDT、ランダムフォレスト、XGBoostを使ったFXリターン予測を行っています。特徴量の重要度分析で、エマージング通貨はCABが、全体ではPRateの重要度が高かったという結果となっています。

キャリートレード

 先ほどの例ではPRate(つまり金利差)が重要だったのですが、(※2)Lukas Menkhoff, et al. 2009のように、金利差がその後のFXリターンの説明能力が高い変数であることを示す文献は古くから多くあり、これに基づく戦略はCarry tradeと呼ばれています。しかし、この金利差が2国間の政策金利や実質金利の差である場合、実際に金利が動く前にマーケットに織り込まれるのではないかなど、実際のトレードに活かすためにはいくつか懸念点があります。

(※3)“How to use FX carry in trading strategies”では、為替のスポットレートとフォワードレートの差から読み取れる金利差(実質フォワードインプライドキャリー)としてキャリートレードを検証していますが、どんなデータを金利差とするのかの考察は参考になるかと思います。

スワップポイントの変化をデータとして利用

 FX戦略のための機械学習における特徴量として金利差を示すデータが重要になりそうと話してきましたが、実際に入手しやすいデータの例としてスワップポイントを考えていきましょう。

買いスワップポイントのグラフ

 図は2024年年初から9月中頃までのドル円レートと3倍デーの影響を調整した買いスワップポイントのグラフです。7月頃のドル円の大幅な下げに連動するように、スワップポイントも大きく変化しています。スワップポイントの変化であれば毎日取得可能であったりと、戦略によっては中央銀行の政策金利を利用するよりも良い結果となるかもしれません。

参考文献
(※1)CHIEN-HSIU LIN, Tao Liu. (2024). “Machine Learning in Enhancing the Performance of Prediction and Trading Strategies in FX Markets”. https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4937353
(※2)Lukas Menkhoff, Lucio Sarno, Maik Schmeling, Andreas Schrimpf. (2009). Carry Trades and Global Foreign Exchange Volatility“”. https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1342968
(※3)Ralph Sueppel. “How to use FX carry in trading strategies”. macrosynergy. 2022-4-16.
https://macrosynergy.com/research/how-to-use-fx-carry-in-trading-strategies/. (参照:2024-9-3)

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