コウスケ氏プロフィール
世界トレードコンテスト「ロビンスカップ」の上位入賞を得て大手メディアより注目を集める。現在ではFXトレードでFIREを達成しFIRE生活を送りながら公式YouTubeでトレードノウハウ等を発信している。【Achievement】世界トレードコンテスト2022 WTC (ロビンスカップ)優勝/世界トレードコンテスト2019 WTC (ロビンスカップ)第2位/世界トレードコンテスト2017-2018 WTC (ロビンスカップ)第3位
平均値幅からボラティリティに合わせた値幅をとりにいく
世界トレードコンテスト「ロビンスカップ2022」で世界第1位を獲得し、毎夜のFXライブの配信等で活躍するFIREトレーダーのコウスケさんに、日足ブレイク後の押し戻りでエントリーする待ち伏せ&狙い撃ち手法を教えていただいた。
「今回は日足の高安ブレイクを待ち、方向感を確認できてからの押し目を狙うトレード手法を紹介します」とコウスケさん。まずは使用するテクニカル分析について解説していただいた。
「この手法は、日足のブレイクから生じるトレンドの波に押し目から入っていきます。
EMAでトレンドの方向感を確認し、相場の過熱感を測るRCIで売られすぎ・買われすぎのタイミングを押し目・戻り目としてエントリーします。決済は平均値幅で市場のボラティリティに合わせた値幅で決定します」
複数の時間足で方向感と押し目・戻り目を確認
具体的には日足のどの部分、どの時間足を見ながらトレードするのだろうか。
「最初に直近の日足の陰線高値または陽線安値のブレイクを待ちます。陰線高値を上回ったら買い方向、陽線安値を下回ったら売り方向です。
ブレイクしたら、4時間足→1時間足→30分足→15分足→5分足と時間足を落としていき、EMAの向きとローソク足との位置関係から、トレンドの方向を確認します。
方向感を確認できたら、5分足~1時間足のRCIで押し目となっているところでエントリーします。各時間足のチャートでRCIを確認する代わりに、5分足のチャートで期間が異なるRCIを表示させてもいいでしょう。
決済は、過去24日間の平均値幅の1.5倍の値幅で利益確定、1倍の値幅で損切りです。
利益確定は平均値幅の0.5~1.5倍、損切りは0.5~1倍で調整してもいいですが、リスク1に対してリワードが1.5のバランス感となるようにしてください。なお、平均値幅はインジケーター(ATR・Average True Range)で算出可能です」
ロット管理と資金管理は厳密に
この手法は、日足のブレイクを待つため、エントリーチャンスは少なく、トレード頻度は3日に1回程度とのこと。
「この手法を使うときは、エントリーは焦らず、見逃したとしても次回へ繰り越す勇気を持ちましょう」
とコウスケさん。また、狙う値幅が通貨ペア・相場の状況により異なるのでロット管理と資金管理は厳密にとのことだった。
この手法では、ボラティリティに合わせた値幅で決済するため、通貨ペアや相場の状況により狙う値幅が異なる。いつもと同じロットでトレードするのではなく、ロット管理と資金管理は厳密に計算してトレードするようにしよう。
本文◉yuko
チャート提供:TradingView
How to Technical.01|この手法で使用する分析アプローチ
日足の直近陽線安値、陰線高値
ローソク足の陽線安値・陰線高値はヒゲの先端であり、市場参加者に意識されやすい価格である。この価格近くでは売り買いの攻防が生じやすく、攻防の結果として価格を抜けると、抜けた方向に伸びやすい特徴がある。
EMA(Exponential Moving Average、指数平滑移動平均線)
EMAは、トレンドの方向や強さを把握するためのテクニカル指標で、単純移動平均線(SMA)と比べて、より早く値動きに反応する。使い方や売買の判断方法は単純移動平均線と同様。
RCI(Rank Correlation Index、順位相関指数)
RCIは、相場の過熱感を測り、現在の価格が割安か割高かを判断するときに使われる代表的なテクニカル指標の一つ。ある期間における日付と価格それぞれに順位をつけ、その相関関係を指数化したもの。計算期間をn日間とした場合、n日間価格が上昇し続ければ+100%、n日間下落し続けると-100%となる。一般的に+80%以上で買われすぎ、-80%以下で売られすぎと判断される。
平均値幅
ローソク足の平均値幅は市場のボラティリティ(変動幅の大きさ)を示す指標である。平均値幅が小さければボラティリティが低く、平均値幅が大きければボラティリティが高い。24日間の平均値幅を算出することで、市場のボラティリティに合わせた値幅を狙うことができる。
How to Technical.02|トレード手法の基本情報
狙う通貨ペア | ドル円 |
表示するチャートの時間軸 | 環境認識◉日足 方向判断◉4時間足~5分足 エントリー◉1時間足~5分足 |
使用するインジケーター | EMA、RCI |
平均的なポジション保有時間 | 24時間 |
平均的な利益確定の値幅 | 24日間の平均値幅×1.5 |
平均的な損切りの値幅 | 24日間の平均値幅×1.0 |
■勝率の目安
60%
■トレードの頻度
3日に1回
①環境認識
1.日足で直近の陽線安値、陰線高値を確認する
2.1で確認した価格近辺でラインやゾーンを描画する
3.4時間足→1時間足→30分足→15分足→5分足の順で方向を判定する
4.日足の陽線安値、陰線高値を抜けるのを待つ
②新規売買(新規買いの場合)
●日足の陰線高値ゾーンを上抜けたらエントリーを検討
●4時間足から5分足へと順に200EMAとの位置関係により方向感を判定
●1時間足から5分足のRCIで押し安値を確認し、買いでエントリー
③決済売買(新規買い→売り決済の場合)
利益確定
●インジケーター(ATR)で算出した24日間の「平均値幅×1.5」に到達したとき
損切り
●インジケーター(ATR)で算出した24日間の「平均値幅×1.0」に到達したとき
How to Technical.03|トレード実践例 ドル円◉日足~5分足◉2023年5月5日
【1】日足の陰線高値にラインを描画し、抜けるのを確認する
【2】4時間足~5分足の200EMAとの位置関係で方向感を確認する
【3】1時間足~5分足のRCIで押し目のタイミングを計り、買いでエントリー
【4】平均値幅に基づき、利益確定または損切りする
この手法を用いた、ドル円のトレード例。まずは日足の直近の陰線高値に引いたラインを抜けたことを確認。4時間足から5分足のチャートで、200EMAとローソク足の位置関係から上昇トレンドであることを確認する。1時間足から5分足のRCIが、底から上向くタイミングで押し目買い。24日間の平均値幅をATRで算出し、平均値幅の1.5倍の値幅で利益確定、または平均値幅の1.0倍の値幅で損切りとなる。
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