10月最後の週は「政策金利ラッシュ」でした。
5つの中央銀行(RBNZ、BOC、FRB、ECB、日銀)はいずれも「引き締め方向を向いている」という点では同じなのですが、出した答えはキレイに分かれました。上げたのはカナダだけ。残る4つは据え置き。にもかかわらず、一番大きく動いたのは「上げなかった」NZドルでした。
為替で値幅を生むのは「水準」ではありません。「予想と結果のギャップ」です。10月最終週は、それが教科書のように表れた週だったと思います。
♦ニュージーランド準備銀行(RBNZ)
予想は利上げでしたが、結果は2.75%で据え置きとサプライズでした。物価の見通しは高くなるとしていたので事前予想は利上げだったワケです。NZドルの反応はハッキリしていました。NZドル米ドルは1.2%下落して0.5613ドル、日中の安値は0.5583ドルまで沈み、52週安値の0.5565ドルに迫りました。1日の下落率としては3月以来の大きさです。今年のオセアニア通貨はボラティリティが低下気味なので特にインパクトがあるように見えました。今後も続くかは微妙ですが…。

♦カナダ銀行(BOC)
0.25%引き上げて、政策金利は2.50%(前回2.25%)に。声明では、インフレの見通しが悪化したこと、原油価格が長く高止まりすると見ていることが示されました。インフレは年末までに前年比3.5%まで上昇し、2027年の大半で3%以上、2028年半ばに2%目標近くへ戻るという見通しです。2026年の成長率見通しは1%へ上方修正されています。
♦米連邦公開市場委員会(FOMC)
米国FRBは政策金利を3.75%から4.00%で据え置き。採決は10対2でしたが、注目してほしいのは反対した2名が「0.25%の利上げ」を主張していたという点です。クック理事とクリーブランド連銀のハマック総裁から、利上げを求める反対票が出ていました。
ただしウォーシュ議長は会見で12月の利上げを約束しませんでした。ここでドル売りが出ます。ドル円は海外市場で158円35銭まで買われていたところから、157円台へ失速しました。ちなみに前週のドル円の高値はこの158円35銭です。
♦欧州中央銀行(ECB)
動いたのは、その後の会見です。ラガルド総裁が12月の追加利上げの可能性に言及し、ユーロドルは1.1170ドル近辺まで急反発。年初来安値に並んだ翌日に切り返しました。
♦日本銀行(BOJ)
ラッシュ最終日のトリを務めたのは日銀(日銀金融政策決定会合)です。政策金利は「1.25%程度」で据え置きでした。採決は賛成8・反対1。高田審議委員が1.50%への利上げを提案して反対しました。
据え置き自体は想定どおりで、翌日物金利スワップが織り込む10月利上げ確率は約2%でしたから、ここにサプライズはありません。
驚きは声明の中身でした。日銀は基調的な物価上昇率を「2%の物価安定の目標とおおむね整合的な水準となっており、先行きも同程度で推移すると考えられる」と記したのです。
長く「物価が下がってしまうこと」を心配する側に立ってきた日本の金融政策が、ここで重心を移しました。リスクバランスも「物価見通しは上振れリスクの方が大きい」へ。局面が変化した、という表現まで入っています。

政策金利ラッシュを通過し、為替はそこまで大きな動きはありませんでしたが、忘れてはいけないのが原油です。前週の中銀の声明を読み返すと、RBNZもカナダ銀行も日銀も、そろって原油高を物価見通しの押し上げ要因に挙げていました。中東情勢が、世界の金融政策を同じ方向に押している──。そして株式市場のAI・半導体関連に陰りが見えてきています。
今の相場の根っこはココにあります。11月相場は始まりと同時に「米国中間選挙」を迎えます。激しい動きが想定されるので警戒レベルを上げてスタートしましょう。
■米国中間選挙
開始:11月3日(火)
投開票:11月4日(水) 8:00~10:00
※全て日本時間
11月最初の週となる11月2日(月)からの注目すべき材料・指標は次のとおりです。
■11月2日(月)
24:00~米ISM製造業景況指数
■11月3日(火)
日本休場
12:30~RBA豪州中銀政策金利&声明発表
24:00~米JOLTS求人件数
■11月4日(水)
22:15~米ADP雇用者数
22:30~米貿易収支
24:00~米ISM非製造業景況指数
■11月5日(木)
ゴト日
21:00~BOE英中銀政策金利&声明発表
22:30~米新規失業保険申請件数
■11月6日(金)
22:30~米雇用統計
※11月のアノマリー記事もご覧ください。












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