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[直撃インタビュー]投資家メンタリストSai「逆張りで溶かした1000万、再起の鍵は主観を乗り越える客観、いま狙うのは相場のシーソーゲーム」

[直撃インタビュー]投資家メンタリストSai「逆張りで溶かした1000万、再起の鍵は主観を乗り越える客観、いま狙うのは相場のシーソーゲーム」

ゴールデンウェイ・ジャパン

※FX雑誌『外国為替』vol.16(2025年8月25日発売)より転載 最新号の目次・お知らせはこちら

YouTubeチャンネル登録者数は14万人以上。日々メンタルマネジメントの発信に努める投資家メンタリストSaiさんに、このたびインタビューへ応じていただきました。

SNSのプロフィールに「30万の元手が借金780万に」「10年で1000万が溶けた」と赤裸々に記す様は、未来への道を見失わないためのマイルストーンのように映ります。

彼はどのようにして再起を果たし、勝てる自分を育ててきたのでしょうか。その秘密に迫ります。

投資家メンタリストSai氏プロフィール
投資家メンタリストSai(さい)氏プロフィール

投資歴21年。元手30万円で投資を始め、一時期は借金780万円を抱えたこともあった。10年で1000万円を溶かしどん底に陥るも、3年間を検証に費やし、1000冊の書籍を読破して這い上がった。現在は都内に戸建てを3軒購入できる資産を保有。登録者14万人のYouTubeチャンネルで、自身の失敗から得た学びと「投資&心理」を融合させた知識を日々発信中。
【著書】自分のマインドを自在に操る超投資法 最新のメンタリズムで分かった「失敗しない」お金の増やし方(KADOKAWA)

聞き手・本文◉佐野雄二

トレイダーズ証券

負け組を生まれ変わらせた客観的な敗北データ

―投資を始めて20年以上経つとのことですが、初心者だったころのお話をお伺いできますか?

投資家メンタリストSai(以下Sai) 私が投資を始めたのは20代前半の大学生のころでした。将来に備えて資産を増やしたいと思い、株取引からスタートしました。雑誌に載っている株をそのまま買ったりしていましたね。その後、FXを始めてからは元手の他に余剰資金で毎月10万円ほどを注ぎ込んでいましたが、気が付けばそのすべてを溶かしていました。目の前のチャートの動きに釣られてしまい、短期的に上がったら「そろそろ逆張りで売って値幅を狙おう」、通貨が暴落したら「そろそろ底を打っただろうから買いで入ろう」と、根拠やルールのない感覚的な取引ばかりで、当然のように負け続けていました。今になって思えばあれはトレードではなく「賭け」だったと思います。

―多くの人が通ってきた道を、Saiさんも通ってきたのですね。負け続けていたときに「これではダメだな」と気付いたのはいつごろでしたか?

Sai 10年間で積もりに積もった損失が1000万円近くなったころでした。当時は借金を780万円抱えていました。負け続けていた時代は、もうほぼ全て逆張り狙いでした。そのほうがリターンが大きいと信じていたんです。

―どうして、負けの期間がそこまで長引いてしまったのでしょうか?

Sai 人間には、自分のやっていることが間違いだと認めたくない心理があります。「これだ」と信じる意思が強ければ強いほど、こだわった期間が長ければ長いほど、過ちを認めることが難しくなってしまうのです。当時の私はまさにそれでした。我ながら本当に頑固で、よく10年も退場せずに続けていたと思います。

―その長い苦しみから抜け出し、勝てるようになった転機はどんなことだったのでしょうか?

Sai 2013年ごろ、大きな転機が二つ訪れました。一つはそれまで続けていた逆張り戦略にようやく諦めがついて「相場の流れに逆らわないようにしよう」と、順張り戦略へ切り替えたことです。勝っているトレーダーほど、シンプルに「流れに従っている」ことに気付いたんですね。特に印象的だったのは、20世紀初頭に活躍したトレーダー、ウィリアム・ギャンの「トレンドが下なら、売るに安すぎることはない。上なら、買うに高すぎることはない」という言葉です。「今が高すぎる」「安すぎる」と感じるのは、自分の主観です。それよりも、相場の流れが継続しているかどうかに注目し、その流れに逆らわないようになってから、トレード成績も安定しはじめたんです。

 もう一つは「根拠のない取引は絶対にしない」と決めたことです。目の前の値動きがどれだけチャンスに見えたとしても、明確な根拠や優位性がなければエントリーしません。そのルールを徹底して守り続けたことで、トレードの回数もかなり減りました。その分、検証や振り返りに時間をかけられるようになり、エントリーのタイミングもより厳選するようになりました。結果として、それがトレードの精度向上に直結しました。

 トレンドフォローの考え方と、明確な根拠のあるエントリー。今思えばこのときやっと、トレーダーとしての基本を身に着けることができたのだと思います。負けを認め、全く別のトレーダーとして生まれ変わって、最初は違和感がありました。「こんな高値からロングで入っていいのか」「ここから反落してしまうのではないか」と、不安にもなりましたが、順張りをベースにした手法を作り直そうと決意するに至りました。

―当時、勝てるようになるまでの間に、最も「変えなければならない」と考えていたのはどんなことでしたか?

Sai エントリーが大きな課題点だったので、それを制御するためのルール作りですね。「毎日取引してお金を増やさなきゃ」って固定観念のようなものが頭の中にありました。チャンスが目の前にいくらでも転がっていると考え始めると、チャートがお金に見えてきて、特に優位性もない状況で飛び込んだ結果、お金を取られてしまうんですね。目の前で大きく上がると、それまでの流れを無視してもうそれだけに釣られてしまう。もうトレンドは終わっているにもかかわらず、伸びきった後で買ってしまう、と。あの当時の自分は釣られる魚でしたね。また、頑固な自分を克服することも課題点の一つでした。

―どうやってその「頑固な自分」を納得させたのですか?

Sai 感情を理屈でねじ伏せました。借金の額という具体的なデータを活用しました。ちょっと嫌な話ですが、敗北したデータという事実がそこにあったので、負けっぷりを定量化しました。

―SaiさんがYouTubeで公開されている動画を拝見した際にも感じたことですが、「再現性がある」ことと「定量化できる」ことを重視されている印象を受けました。

Sai 人間は感情的で主観的な生き物ですから、そこを乗り越えるために客観性という武器が必要ですね。主観で納得できないのならば、客観的な事実をベースにするのが王道です。そこを意識する所が再出発でした。

均衡が崩れる瞬間を狙う高安値停滞手法

―今はどの金融商品をメインにトレードされていますか?

Sai ポンド円とゴールドが中心ですね。ゴールドはCFD取引になるのですが、ドルとの相関もあって、FXのノウハウが通用する部分もあります。

―ゴールドはここ2、3年で価格が大きく上がり、ボラティリティが大きくなっていますよね。

Sai そうですね。それだけに、順張りとの相性が良いと感じています。ただ、ボラティリティが高いといってもトレンドが形成されないとやはりやりにくいので、ポンド円はそういった意味でやりやすいといえます。流動性の高さからドル円もボラティリティが高いですが、2025年はヘッドラインに相場が過敏に反応しがちで、方向感の読みにくい局面が多いと感じています。迂闊に手を出すのは避けたいです。

―最近行ったトレードについて教えていただけますか?

Sai 以前は、抵抗線や支持線に跳ね返された後、逆行すると見せかけてトレンドが継続する際のV字のパターンを狙う「V字トレード」と呼ばれる手法で戦っていましたが、最近の相場ではもっと汎用性・再現性の高い手法にシフトするようになりました。「高安値停滞」という手法が現在のメインです。

―どういった手法なのでしょうか?

Sai 考え方としては順張りのブレイクアウト狙いに近いですね。高値や安値をブレイクする手前ではしばしば「停滞」が生じます。この高安値停滞手法は、高値・安値圏で相場が足踏みしている状態を、次に動き出すためのエネルギーが蓄積されている兆候と捉えます。ポイントは、「いったん抜けた価格帯で、相場が再び止まっているかどうか」です。

 2024年10月の例(図1)でいうと、一度高値をつけたあとに反落したものの、上昇トレンドが継続していたため、相場が再び高値圏に近づくのを待つ展開となりました。実際このときは高値圏で停滞が訪れました。こうした状況では、高値更新を意識した買い手(順張り)と、再び反落するのを狙う売り手(逆張り)が綱引きをしているわけですね。その均衡を上方向にブレイクすると、逆張り勢の損切りを巻き込んで大きく動き出す可能性が高い。その瞬間を捉えられるよう、エントリーチャンスを窺いました。具体的には、1時間足でローソク足7〜8本ぐらいです。半日ぐらいとも言い換えられますね。

図1 綱引きを制する高安値停滞手法

図1 綱引きを制する高安値停滞手法

高安値停滞手法では、まず視野を広めに取ってトレンドの継続を確認することが前提となります。例えば上昇トレンドの途中で高値をつけたら、必ず抵抗線として押さえます。相場が再び高値水準に近付いてきたらエントリーの準備。抵抗線付近で7~8時間を目安とした停滞が確認できたらブレイク前に買いエントリー。抵抗線をブレイクしたら伸びきるまでは握り、流れが崩れ始めたら手じまいを検討します。順張りと逆張りの均衡が崩れる瞬間に着目した、再現性の高いトレンドフォロー戦略です。

―この「停滞型ブレイク」狙いは、動き出すまで待つ姿勢が明確にルール化できるのが良いですね。

Sai そうですね。1時間足なら生活リズムとも合わせやすいと感じており、裁量の幅を持ちつつある程度「型」を持って勝負できる点が自分に合っていると感じます。

―出口戦略はどうなっていますか?

Sai 利益確定については、ある程度伸びきるまではポジションを保ちます。ただし、上昇局面であれば直近の安値を割るような動き、下降局面であれば直近の高値を超えるような動きが見られた場合には、流れが崩れたと判断して決済を検討します。また、再び停滞が起きたあとに、勢いよく逆方向に動き出した場合も同様に手じまいます。

 上昇トレンドが続いているときは、上昇と停滞をある程度繰り返すもの。そう構えておき、描いたシナリオに沿う形で相場が動いていったら、その流れについていくのが基本です。

―チャートの形からも判断しやすく、けっこうシンプルですね。

Sai 事前の環境認識が大事ですね。チャートの視野を広めに取っておき、大きな流れがちゃんとできていることが前提になります。

自分への問いかけでバイアスの落とし穴を避ける

―Saiさんは投資書籍を1000冊以上読破し、特にメンタルに関して非常に濃密な勉強を重ねてきたそうですね。先程ご紹介いただいた「高安値停滞手法」も、そうした積み重ねの上に成り立っているものなのですか?

Sai 相場が停滞している状況では象徴的ですが、たとえば買いのポジションを持っているトレーダーがいれば、当然逆のポジションを持っているトレーダーもいます。自分の都合ではなく、相場参加者の心理を意識することですね。ロングで持っていたら、ショートを持っている人がどこまで逆行したら苦しくなってポジションを手放すのか、そのポイントを探ります。

 相場は、不思議と大衆が動いてほしくないと考えている方向に大きく動くものです。その理由の一つとしては、損切りを巻き込んだ動きですね。多くのトレーダーに意識されている抵抗線や支持線は、一度抜けると大きく動きます。たとえば、機能している抵抗線の少し上には、ショート勢の損切りが溜まっているケースが多い。だから、もみ合いの末にその抵抗線を上抜いて伸びていくと、損切りを巻き込んで一気に動くんですね。モメンタムが強くなります。

 株では断続的に買いが続くことで上昇トレンドになることもありますが、FXの場合だと損切りの巻き込みで一気に一方向へ加速してそのままトレンドが形成されることも珍しくありません。

―日々、自分のメンタルの弱さに悩むトレーダーは多いです。Saiさんの考える「メンタルの弱さ」とはどのようなものでしょうか?

Sai 現状維持バイアスが一つの例でしょうか。人間が持つ認知バイアスの一種で、たとえもっと良い選択肢があっても、今の状態を変えるのに抵抗を感じてしまう心理的傾向のことです。「このままではまずい」と頭では分かっていても、今の自分をどうにか肯定する理由を探してしまったりするんです。

「トレーダーあるある」には複数の心理的な要因が絡んでいます(図2)。例えば含み益が100万円あったときに、まだ実現益にしていないのに、もう100万円儲かった気になってしまう。その後、何かの要因で含み益がなくなってゼロになったら、実際には損をしていないのに「100万円を失った」と錯覚してしまうんです。そうすると、失ってもいない100万円をどうにか取り戻そうと無茶なトレードに走り、結果的に損失を確定することになってしまう。現状維持バイアスに他の要因が絡み、こういった形で損失が拡大してしまうことがあります。

図2 「トレーダーあるある」に潜む心理

図2 「トレーダーあるある」に潜む心理

多くのトレーダーがやってしまう「トレーダーあるある」には、人間の本能ともいえる「バイアス」が潜んでいます。これらは無意識の領域からトレーダーの思考や判断を歪め、冷静なトレードを妨げてしまいます。とはいえ、こうした心理は誰にでも備わっているもので、完全に消すことは困難です。大切なのは、こうしたバイアスを知って「意識の落とし穴」を自覚した上で適切な対処法を身につけること。Saiさんはその手段の一つとして「一歩引いて、自分に問いかけてみること」を挙げています。

―「現状維持バイアス」のような思い込みに囚われないようにするには、どうすれば良いのでしょうか?

Sai 自らに問いかけることでしょうか。例えばロングを持っていると、自分の選択の正しさを保証できる情報を求めて、つい都合の良いニュースを探そうとしてしまいます。ただそこで「いや待てよ」と立ち止まってみましょう。もしポジションを持っていない状況だったら、この局面で買い直すだろうか。今から買い増しをするだろうか…そういった問いと思考の時間が、気づきを与えてくれます。「あぁ、今の自分はポジションに愛着を持っているんだ。感情を持ち込んでいるんだ」と。そうして、上がる根拠がないと冷静に判断し、淡々と決済してしまえば、落とし穴にハマらずに済みます。

〝今、目の前〟ではなく未来で勝てる自分を作る

―勝てるといわれている手法を使ってトレードしているのに勝てないと悩みを抱えているトレーダーは多いと思います。そうした人に向けたアドバイスを頂けますでしょうか。

Sai 勝てるといわれている手法をマニュアルどおりに実行しているつもりでも、本質的には再現できていないというケースは少なくありません。エントリーする局面やタイミング、狙うチャートの形など、分かりやすい表面的な部分の理解にとどまり、その奥にある本質を体得できていない可能性があります。ここでいう「本質」とは、具体的な行動ポイントばかりに注目し、それがどのようなロジックに基づいているのか、手法の土台となる考え方まで落とし込めていない状態のことを指します。

 誰かの手法を真似しているつもりでも、実は同じようにはできていない、あるいは本番で衝動的に全然違う立ち回りをしてしまう。昔の私と同じように感情に流されてしまっているわけですが、目先のチャートを見て、「チャンスがあるかもしれない」と考えてしまうと、何かしなければいけないような気になってしまう。1時間ずっとチャートを見ていたら、あまり整合性のない考えが生まれて、そのコストに見合うだけのものが欲しくなってしまう。取引チャンスがなかったら何もしないのが正解だと頭で分かっていても、もったいないという思いが生まれて、心がザワついてしまう。

 特定の誰かにだけ起こることではなく、これらは誰にでも起こりうることです。そうならないために「ルールを作る」ことが肝心になります。私のマインドセットの一つでもありますが、まずルールで動くこと。感情はゼロにすること。実際そうするのはとても難しいことなんですが、ロボットのように、自分のルールを守る。

 また「今、目の前のこと」に人間はとても釣られてしまいやすいので、私は「未来で勝てる自分を作ること」を最優先に考えています。目の前の値動きに飛びついて100万円勝ったとしても、長期的に見たらそれは意味がないんです。たまたま勝っただけであって、勝てる自分になったわけではないので、再現性がなくてすぐ100万円以上負けるでしょう。それよりも、データ分析された手法に基づき、勝つべくして勝った10万円のほうがずっと貴く、意味のあるものです。

トレードの乱れは生活の乱れ、自律と継続が生存の鍵

―『外国為替』の読者へ一言お願いします。

Sai 自分がまさにそうだったんですが、上手くいくまでの道のりって本当に長いです。辞めたくなってしまうこともあると思いますが、やはり「継続は力なり」です。上手くいっていないのも、成功までの道中です。そう考えて、時には歯を食いしばって続けていくしかないこともあります。

 トレードは自分を整えるゲームでもあります。トレードで自分を律することができていないと、生活もどこか乱れたものになりがちです。お金にフォーカスしすぎずに、正しいことを真摯にやり続けることが大切だと思います。

インタビュー日◎2025年6月3日

notice 役立つ「気付き」が、ここにある

投資家メンタリストSaiさんはYouTubeで精力的に活動されており、チャンネル登録者数は14万人以上。ご自身の実体験に基づく実践的な知識やスキルを発信するだけでなく、少額資金で短期トレードに挑む「〇万円チャレンジ」という企画も過去に行っております。勝ちたいトレーダーにどこまでも寄り添うチャンネルです。

ABOUT ME
FX「外国為替」編集部
FX「外国為替」編集部。たくさんの投資家の人生が、FXのおかげでほんの少し豊かになる—。そんな未来を目指して2022年8月に『外国為替』を創刊。雑誌は全国の書店およびAmazonで発売しています。
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