3月1週目の金融市場は、米国・イランをめぐる地政学的緊張の高まりを発端として、リスク資産・安全資産を問わず広範な値動きが交錯する、極めて慌ただしい一週間となりました。
【原油市場】地政学リスクプレミアムが再浮上
米国とイランの対立が改めてクローズアップされるなか、エネルギー市場では「リスクプレミアム」の織り込みが急速に進行。WTI原油先物はホルムズ海峡を経由する供給リスクへの警戒感から買いが先行し、週を通じて堅調な推移を維持しました。ただし、世界景気の減速懸念が上値を抑える構図も変わっておらず、一本調子の上昇とはなっていません。
【貴金属市場】GOLDに激しい売買が交錯
安全資産の代表格であるGOLDは、今週も目まぐるしい値動きを演じました。地政学リスクや株式市場の不安定さを背景とした買い需要が流入する一方、利食い売りや短期筋のポジション調整が重なり、上下双方向への値振れが拡大。Silverをはじめとする貴金属全般にも同様の動きが波及し、インフレヘッジや有事の買いという従来の需要構造に加え、投機的な短期売買が混在している現状が鮮明となりました。
【株式市場】日米ともに激しい乱調
日経平均株価は、円相場の振れや米国株の動向に翻弄される形で週を通じて大きく上下しました。米国株式市場でも、NYダウ・S&P500・NASDAQの主要3指数がそろって不安定な値動きに。週前半はリスクオン・リスクオフの切り替わりが急速で、指数の一日の値幅が拡大する場面が目立った。そして週末の米雇用統計発表後、株式市場は大幅な下落で引けており、投資家心理の悪化が改めて浮き彫りとなっています。
【為替市場:ドル円】乱高下の中でも「高値・安値の切り上げ」構造が継続

ドル円の1時間足チャートをご覧いただくと、週を通じた値動きの本質がよく見えてきます。
2月後半から続く乱高下とレンジの繰り返しにもかかわらず、チャートが示す通り安値・高値をしっかりと切り上げ続けるトレンド構造が今週も継続しました。
週の安値は152.270円まで売られる場面があったものの、3月に入ってからは上昇の勢いが明確に加速し、週末には一時158.096円の高値を記録。終値は157.822円と、158円台に迫る水準で週を終えました。
表面上は激しい乱高下に見えますが、2月から続く「押し目を作りながら切り上げていく」トレンドラインは崩れておらず、ドル高・円安基調は依然として継続中といえます。トレーダーにとっては「木を見て森を見ず」にならないよう、短期の揺れに惑わされず大局観を保つことが重要な局面です。
【為替市場:スイスフラン円】驚異的な上昇トレンドとSNBの介入示唆

今週、為替市場でもう一つ強く意識されたのがスイスフラン(CHF)の動きです。日足チャートが如実に示す通り、スイスフラン円は2025年春先の165円台を起点に一本調子ともいえる驚異的な円安スイスフラン高トレンドが継続しており、今週は一時204.014円の高値を記録。2025年初頭から現在にかけて、約40円近い上昇幅を積み上げていることになります。
この背景にあるのは、地政学リスクの高まりや世界的な不確実性の増大によるスイスフランへの安全資産需要の流入です。しかし、この急激なフラン高に対してスイス国立銀行(SNB)が為替介入を示唆するコメントを発したことで、市場に一時的な緊張が走る場面も見られました。
SNBは過去にも輸出競争力の維持を目的としたフラン高抑制介入を実施してきた経緯があり、今回の示唆は市場参加者へのけん制として一定の機能を果たしています。スイスフランを含むクロス通貨では瞬間的な値飛びが生じた場面もあり、トレーダーも警戒した週でしたが、株式市場やコモディティなどのボラティリティとは大きく乖離しており、為替は小動きに見えるのが不気味です。
【米雇用統計】悪化の内容も、為替は無反応・株は急落というココでも乖離
週末に発表された2月米雇用統計は、市場予想を大きく下回る内容に。景気の先行き不透明感を強める結果であったにもかかわらず、為替市場はほとんど反応しませんでした。この背景には、発表前後にすでにドル高ポジションが相当程度積み上がっていたこと、さらに利下げ観測がある程度織り込まれていたという需給面の事情があったようにみられます。
対照的に、株式市場は雇用悪化を景気失速の証左として素直に受け止め、時間経過とともに大きく下落し、主要3指数が揃って大幅安で週を終えました。同じ経済指標に対して為替と株式が真逆に近い反応を示したことは、現在の市場における整合性のなさを象徴しています。来週以降のFRBの政策スタンスと市場の反応を引き続き注視したい。
3月2週目の週となる3月9日(月)からの注目すべき材料・指標は次のとおりです。
※冬時間が終わりサマータイムへ移行します。米国指標などが全て冬時間よりも1時間早くなるので注意してください。
■3月10日(火)
ゴト日
23:00~米中古住宅販売件数
■3月11日(水)
21:30~米消費者物価指数CPI
■3月12日(木)
21:30~米貿易収支・新規失業保険申請件数・住宅着工件数
■3月13日(金)
16:00~英GDP・貿易収支・鉱工業生産指数・製造業生産高
21:30~米個人所得・支出・PCEデフレーター
23:00~米JOLTS求人件数・ミシガン大学消費者信頼感指数
※3月アノマリー記事もご覧ください。





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