楽して儲けたい。それは全ての投資家の望みといっても過言ではありません。ですが、本当に何もせずに儲けは出ないもの。
そこで「不労所得」ならぬ「微労所得」という考え方を提唱されるOnyさんに、そのノウハウをご教示いただきます。
※FX雑誌『外国為替』vol.16(2025年8月25日発売)より転載 最新号の目次・お知らせはこちら

Ony(おにー)氏プロフィール
日系大手IT企業から外資系大手IT企業で働きつつ、FX・米国株を中心に活動するトレーダー。X(旧Twitter)では不定期にスペースを開くほか、「#おにーさんの微労所得」にて日々の実績を配信。ブログ「Onyさんといっしょ」では、トレード戦略別の情報も整理・発信している。
ユロっとおにー一周年にあらためてお伝えしたい
今回も微労所得実践道場に目を留めていただき、ありがとうございます。筆者Onyの造語である「微労所得」を体現する戦略「ユロっとおにー」も、正式リリースから1年を迎えました。たった1年の間にさまざまな荒れ相場を経験し、そのたびに改善を重ね、現在はver5を最新設定として多くの方に活用いただいています。これもひとえに、お付き合いくださっている皆様のおかげです。この場を借りて御礼申し上げます。
私は、微労所得シリーズの発信を通してさまざまな方と一定の信頼関係を築くことができたと自負しておりますが、その一方で常にお願いしていることがあります。それは、「過度に私を信用しないでほしい」ということです。
一般的に「投資は自己責任」という一言で終わらせられてしまう内容ではありますが、私としては学生時代に目にしたひとつの理論が引っかかっており、意識的にそのようにお伝えするようにしています。最初に少し難しめの話を綴らせていただきますが、後半で噛み砕いてみますので、ご一読いただけますと嬉しいです。
心理学から考える第三者に信を置くリスク
少し、ご自身の行動を振り返ってみてください。「興味があることならば自分で調べて考えるが、興味が薄いまたはない事柄ならば、その事柄に詳しくて信用できる誰かの意見を聞く」という経験をしたことはありませんか?
「Elaboration Likelihood Model (ELM)」、日本語で「精緻化見込みモデル」と呼ばれる概念があります。このモデルは、説得のプロセスを説明するもので、1980年代にRichard PettyとJohn Cacioppoによって提唱されました。
ELMによると、人々は情報を処理する際に2つの経路を使います。
中央経路 (Central Route):
興味や動機が強い場合、メッセージの内容を深く考え、論理的に評価します。これにより、態度の変化は持続的で強いものになります。
周辺経路 (Peripheral Route):
興味や動機が弱い場合、または処理能力が不足している場合、メッセージの内容ではなく、周辺の手がかり(例:話者の信頼性、魅力、第三者の意見など)に頼ります。これにより、態度の変化は一時的で浅いものになりやすいです。
このモデルは、広告やマーケティング、プロパガンダ(特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持った行為のこと)の研究でよく用いられ、興味のないトピックでは専門家や有名人からの推奨が効果的であることを示しています。
精緻化見込みモデルを手法探しにあてはめてみる
身近な例に置き換えると途端にわかりやすくなります。この記事をお読みになっている皆様は、日頃から「儲けられる方法」を探しておられると思います。このとき、儲かった「結果」に興味は抱いても、その理論にいきなり興味を向けることは多くはないのです。おそらく多くの方は、下のカコミのようなプロセスで新しい方法に取り組み始めているのではないでしょうか?
手法探しの典型的なパターン
- SNS等で儲かりそうな方法を目にする
- その実績またはアカウントに興味を抱き、フォローして様子を見る
- そのアカウントの発信に触れる時間が長くなり、発信者を信用し始める
- 発信者の周辺には、その方法で成功していて発信者を賞賛している方が多く見える
- (完全に信用したわけではないが)まずは少額から始めてみる
このように、理論を理解しないままその方法を採用するかどうかを検討しようとした場合、自然と周辺の手がかり、つまり、発信している人の人柄や、その方法でうまくいっている人の結果や意見などを参考にして採用してしまいがちです。これはまさに、周辺経路を通じて発信者のメッセージに説得されてしまっているのです。乱暴に言えば、他人の印象や意見に振り回されている状態にほかなりません。
他人の印象や意見を信じてはいけない?
ここからはいち個人としての意見になりますが、私は、SNSで見かける全くの他人の意見を全てシャットアウトする必要はないと考えています。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、前述したプロセスは、方法自体が本物であっても偽物であっても同じように辿るしかないことが多いのです。自分自身で作り出した方法でない限り、おおむね同じように辿る必要があります。大事なことは、
●自分が少なからず他者の意見によって説得された結果として、その方法を採用した可能性がある、と自覚しておくこと
●採用したあと、自分なりの方法で検証するか、仕組みや理論を深く理解したうえで、本格運用すること
といったように、最終的には自分で体験するか勉強するかして、微かでも構わないので労力をかけることではないかと私は思います。つまり「微労」です。方法を作り出すところの労力はスキップできているので、検証や勉強に相対的に少ない労力を費やしてみてはいかがでしょう、ということです。
受け手ばかりではない発信する側の心構え
「受け手ばっかり気をつけなきゃいけないの?」と感じられた方もいるかもしれません。そうですよね。私もそれはフェアではないと思います。そこで私自身は、ユロっとおにーを活用してくださる方に対して、私自身を過度に信用するのではなく、データを用いて理論を深く理解していただきたいことを発信するようにしています。「投資は自己責任」という言葉を、発信する側にとって都合の良い解釈にしない姿勢こそが、発信者のモラルであると信じています。

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