楽して儲けたい。それは全ての投資家の望みといっても過言ではありません。
ですが、本当に何もせずに儲けは出ないもの。
そこで「不労所得」ならぬ「微労所得」という考え方を提唱されるOnyさんに、そのノウハウをご教示いただきます。

Ony(おにー)氏プロフィール
日系大手IT企業から外資系大手IT企業で働きつつ、FX・米国株を中心に活動するトレーダー。X(旧Twitter)では不定期にスペースを開くほか、「#おにーさんの微労所得」にて日々の実績を配信。ブログ「Onyさんといっしょ」では、トレード戦略別の情報も整理・発信している。
微労所得で用いるハイレバトレード
こんにちは、Onyです。幸運にも外国為替での連載の機会をいただいて、今回が3回目の記事となります。ユロっとおにーを中心に、微労所得シリーズで意識的に採り入れている要素について触れていきたいと思います。
さて今回は、FXと切っては切り離せない、レバレッジについてのお話です。ユロっとおにーは、実効レバレッジ22倍前後というハイレバトレードを基本としています。一般的な印象では、「ハイレバは危ない」と感じることが多いでしょうが、それは本当でしょうか?
実効レバレッジをしっかり数字で考える
よくハイレバ、ローレバ、という表現が使われますが、実際に計算してみたほうが理解が深まります。実効レバレッジと許容できる逆行幅の早見表を載せますので参考にしてください。

この早見表を見ながら、ドル円で実例を考えてみましょう。例えばUSD/JPY=150円で1lot(1万通貨)をレバレッジ20倍で保有した場合、次のようになります(ケース①)。

レバレッジ20倍だと非常に少ない資金で1lotを取引できます。ですが最近の相場環境では1日で1.5円逆行することは珍しくないと思いませんか? つまり、比較的簡単に強制ロスカットされてしまう恐れがあるということです。それでは、同じ条件でレバレッジだけ2倍に変えるとどうなるでしょうか(ケース②)。

仮にロングポジションを持っていて、150円から69円逆行すると81円です。史上最安値(最円高)に近いレートであるため、そう簡単に強制ロスカットされるようには感じられませんよね。年単位の時間を要してもおかしくありません。このように、レバレッジが低いほうが強制ロスカットされにくくなる、という観点からは安全と言って差し支えないでしょう。
ハイレバ危険説って本当?
ここで、もう一度前述の例を読み返してみてください。レバレッジ20倍でも2倍でも、取引している総金額は150万円で同じですが、許容できる逆行幅は1.5万円対69.0万円と大きく違いがあります。これは、仮に強制ロスカットされた場合の損失額が1.5万円で済むか69.0万円にも及ぶか、という違いでもあります。つまり、損失額の観点からはレバレッジが高いほうが安全である、とも言えるのです。
いやいや、レバ20倍だと1日で強制ロスカットされるかもしれないってさっき言ったよね?という声が聞こえてきそうです。そのとおりです。整理すると「損失額とロスカット確率」の表のようになります。

このように、レバレッジの危険性を考える際には、必ず想定損失額と想定ロスカット確率をかけ合わせましょう。「ハイレバは危ない」という話は、自分自身がトレードを行う対象の変動見込みに対し、採用しているレバレッジが合っていないだけかもしれません。また、本来ハイレバにするとロット数あたりの必要資金を減らせるのですが、ついロット数を増やしがちであることも、ハイレバが危ないといわれる要因でしょう。また、ローレバはロスカットされにくい反面、含み損を抱えすぎて却って危ないという解釈もぜひ意識しておきたいところです。
いかがでしたか。レバレッジの効かせ方はトレードスタイルによって千差万別ですが、単純にハイレバが危ないと断じるのではなく、ご自身が主戦場と定める範囲に適しているかどうかが重要である、と気づいていただけたら幸いです。しっかり数字で管理して利用すれば、レバレッジは強力な武器となってくれるでしょう。