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Iolite(アイオライト)編集長コラム[八木紀彰]

ビットコインからアルトコインに資金は流れる 暗号資産市場の定石と注意点|Iolite(アイオライト)編集長コラム[八木紀彰]

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Iolite(アイオライト)
Iolite(アイオライト) 外国為替の兄弟誌。Web3.0を中核として、幅広くデジタル社会の情報を伝える。好評発売中の2024年7月号では、次なるトレンドになり得る次世代技術を深堀りし、自民党web3プロジェクトチーム事務局長・川崎ひでと衆議院議員の独占インタビューも掲載。

 米国のビットコイン現物ETF承認によって、金融領域でもある種の市民権を得たように思える暗号資産も、ビットコインとアルトコインの間にはまだ大きな溝がある。TradingViewによれば、5月執筆時点の世界の暗号資産市場の時価総額は2.3兆ドル(約350兆円)で、米国株式市場の時価総額約50兆ドルと比べてもまだまだ小さい領域であることが分かる。

 世間的にはビットコイン〝だけ〟一定程度の信用力が認められたのは現物ETF承認という出来事からも分かるが、これから暗号資産市場の熱狂が波及するには、イーサリアム及びその他の暗号資産も承認されることが重要な課題の一つだ。SEC(米証券取引委員会)は5月24日、複数のイーサリアム現物ETFを承認した。イーサリアムの現物ETFがいつ取引が始まっても不思議ではない状況まで発展したことは、暗号資産市場にとって極めて大きな進歩といえる。そして、バブルが再来した場合、資金はビットコインからアルトコインに流れる。

 前回のブル相場でもビットコインのドミナンス(市場全体に対するビットコインの時価総額の割合)が減少し、アルトコインの価格が急上昇した。2020年には、ビットコインのドミナンスが約73%に達した後、投資家が利益を確定しアルトコインに資金を再配分する動きがみられたという。過去の傾向からして、ビットコインが上がり始めたとき、信用に値するアルトコインに目星を付けておけば、ビットコイン以上のリターンを得られる可能性があるということだ。

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再分配の〝投機〟対象としてのミームコイン

 暗号資産には数週間で価格が数千%高騰する銘柄が稀に現れる。2024年から2025年にかけてビットコインからアルトコインへと現物ETF承認の流れが仮に波及した場合に、色々な意味で注目度が上がる可能性を孕んだミームコインについて触れてみたい。投資対象として推奨する意図はなく、むしろ細心の注意を払って向き合う必要があるのがミームコインであるということをご理解いただければ嬉しい。

 2023年6月発売号だっただろうか。本コラムでもリリースから2週間ほどで2000%以上も価格が高騰したPEPEというミームコインを取り上げた。

 暗号資産の中でも危なげな存在感を放つミームコイン。これらの暗号資産は、しばしばインターネット文化やユーモアを背景に生まれ、急激な価格変動とコミュニティの熱狂によって時に注目の的となる。

 ドージコインやシバイヌといった代表的なミームコインも、2021年以降の暗号資産ブームの中で急激に価格が上昇し、多くの投資家にとって魅力的な〝投機〟対象となってきた。ミームコインの価値はその裏付けとなる技術やプロジェクトではなく、どれだけ話題になり、どれだけの人がそれを面白いと感じるかにかかっているといっても過言ではない。

 一攫千金の可能性は人々を引き付ける。しかしながら、その価値はコミュニティの熱狂に依存しており、実体のある価値や技術的な裏付けが乏しいため、価格の変動が非常に激しく、詐欺やポンジスキームのリスクも高い。

 悩ましいのは、熱狂的なコミュニティの拡大は時に幻想のようなミームコインをミームには収まらない存在へと昇華させることだ。ドージコインやシバイヌ、PEPEといった代表的なミームコインは、そのジョークのような始まりから一転して、真剣な投資対象となっている側面もある。

 「PEPE」は、「BRC─20」というビットコインの新しい規格を活用して発行されている。ビットコインの最小単位である「サトシ」に特定の情報を関連付け、独自のデジタル資産を生み出す手法だ。これにより、ビットコインブロックチェーンでデジタル資産(NFT)を発行できる。そこでNFTを発行できる仕組みを活用し、画像データやテキスト形式等の全てを記録(フルオンチェーン)できる仕組みで発行されたミームコインということだ。ここがPEPEが登場した2023年の時点では革新的であり、他の暗号資産と差別化されていた点だろう。

 ドージコインも、コミュニティの拡大と共に、トランザクションのデータを効率的に処理するアップデート等が行われてきた。実態と技術的な裏付けで価値が認められた例だ。実際にドージコインとシバイヌは国内の暗号資産取引所に上場している。こちらはミームコインではないが、2018年にTelegramの創始者Durov(デュロフ)兄弟が開発を始めた「Toncoin(TON)」がTelegramを介して、ウォレット・dApps・DEXなど、さまざまな価値体験を提供している。運営メンバーがはっきりしていて、革新的な技術と体験を提供しているこんな暗号資産が個人的な好みだ。

 次の本格的なバブルを迎えるまでにも多くの暗号資産が生まれるだろう。玉石混交とはまさに暗号資産市場をいうようだが、新しく生まれる数多の暗号資産の中にもごく稀に「玉(ぎょく)」があることは確か。ビットコインが上昇トレンドを作っているときに、実態と技術的な裏付けがある暗号資産を探すのも、選択肢を増やすという意味では面白いかもしれない。

ABOUT ME
八木紀彰
大学在学中に飲食業務に従事。その経験から、飲食店のコンサルティング事業及び、アミューズメント領域への人材派遣事業を立ち上げ、代表に就任。同時に自身のブランドを確立させる目的からSNS運用を始める。SNSの運用では、合計フォロワー数1万人を達成後に認知度の拡大を受け、自身のアパレルブランドを立ち上げる。2021年9月に株式会社J-CAMに入社。YouTubeやTwitter運用に従事した後、2022年4月より編集長に就任。2023年3月に『Iolite(アイオライト)』を創刊。
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