7月最終日となる月末、重要指標が乱立していた7月31日(水)。
♦お昼前後~BOJ日銀金融政策決定会合
♦15:30~ 植田日銀総裁の定例記者会見
♦18:00~ EU消費者物価指数HICP
♦21:15~ 米ADP雇用者数
♦22:45~ 米シカゴ購買部景気指数
♦23:00~ 米中古住宅販売成約指数
♦23:30~24:00 月末ロンドンFIX
♦27:00~ 米FOMC/FRB政策金利&声明発表
♦27:30~ パウエルFRB議長の定例記者会見
などなど月末リバランスもあると思われ、事前に材料だけみても大きく動きそうな月末と予想できました。しかし、結果は予想以上の展開に…。
BOJ日銀金融政策決定会合
まずは事前に日経新聞がリークした記事が前日の深夜2時頃に出たのには驚きました。本当かはわかりませんが日銀の利上げを確実とした内容でした。
それにより深夜にドル円はさらに急落。市場を混乱させないように事前リークしたのかもしれませんが余計に驚かせたように思います。肝心の当日も13時前の発表で異例の遅い発表でした!
【BOJ日銀金融政策決定会合】声明発表は、発表されるであろう時間帯に日銀公式HPがアクセス集中によりダウンする事態になり、結果がなかなかわからない状況が続き筆者も困惑しました。しかも11時頃にドル円が一瞬で謎の100pipsほど急変動する動きなどもあり市場も困惑していたように見えました。
結果はついに「政策金利を0.25%へする」と発表。相場は日経平均も為替も乱高下し、ドル円レートは151.600付近から153.900付近と非常に荒い大きな動きとなりました。
一瞬は典型的な「Buy the rumor, sell the fact=噂で買って事実で売る」という感じでしたが、15時過ぎの東京時間引け後からは方向感をしっかり示し、下落を強め始めました。アーリーロンドンを過ぎたころには150円ジャストまで下落することに。
ADP雇用統計、FOMC/FRB米国政策金利
■21:15~「ADP雇用統計」
予想:+15.0万人
結果:+12.2万人
やや悪い結果となりさらにドル円は下げ、ついに150円台を割り込みました!
深夜に控えたFOMCまではジワジワと上に戻し始め、安値からは2円弱も戻していましたが、27:00~「FOMC/FRB米国政策金利」でコンセンサス通りの金利を据え置きが発表されるとドル円は再び下落し始め、パウエルFRB議長の定例記者会見の最中も続落。結果的に安値を更新するまでとなりました!
パウエルFRB議長は「今回のFOMCでは利下げするかどうかについて真剣に議論した」とし「今から9月までの間に多くのデータを得て、9月FOMCでは利下げする可能性はある」と明確に9月に利下げする可能性を示しました。
日銀の植田総裁も急激にタカ派的な発言を繰り返しており、「年内に更に利上げする可能性は高い」と発言。ついに日米の金利差がハッキリ縮小する方向性を示唆し始めたのではないでしょうか!?
市場の反応も円買いに大きく傾き強めていました。今後も流れは円高に変わっていきそうです!
テクニカル的にもドル円は意識されていたであろう152円台を今回は明確に割り込みレジサポとして転換したようにも見えます。「円安の終焉」となった記念すべき日となったかは8月からの相場の動きを見ないと未来はわかりません。
※8月アノマリーの記事も参考にして下さい。
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