まずは12月13日(火)22:30発表、今年最後の米国消費者物価指数(CPI)。
- 予想:7.3%
- 結果:7.1%
結果は市場予想を下回り、数か月連続でインフレ率は下落。
インフレピークアウトと市場は反応し、NYダウ先物から700ドル以上の急騰となり、米長期債は急落で、ドルは再び強く売られた。
対して円買いも強まり、ドル円はあっという間に200pips暴落という展開だった。
そして今朝、12月15日(木)AM5:40、パウエルFRB議長の定例記者会見が終わったタイミングでこの記事を書いている。
FRB政策金利は市場予想通り「0.50bpの利上げ」となり、ついに「0.75bp利上げ」は5会合目でSTOPに。
コレによりCPIほどではないが100pipsほどドル円は上昇。CPIとは逆方向の動きとなり、強いドル買いで市場は反応した。
しかし、パウエルFRB議長の定例記者会見が終わるころには、上昇していたドル円は荒い動きをしながらも全て振り出しに戻っていた。
FRB声明とパウエルFRB議長の発言内容に今までと大きな変更点はなかったものの、
「インフレ低下を示すもっと多くの証拠が必要」
「当局はインフレリスクを上向きに見ている」
「インフレがもたらすリスクを非常に注視している」
「インフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている」
「インフレ2%に向かうとの確信が持てるまで利下げはない」
と、インフレ退治に対しての発言は相変わらず強く、来年2023年の年末までのFF金利目標値を5.1%に引き上げとした。
2023年2月からの利上げペースを「0.25bp利上げ」に戻していくと、3会合で目標地点となる。
市場はそれらを織り込んで、買われ過ぎていたドルを売り戻す可能性が高まる。
円買いがどこまでも強まるのは金利差の問題で考えにくく、このままの流れが続くとすればドル円はドル売りだけでどこまで落ちるのかに注目だ。
ドル円を下方向に見ているトレーダーが過剰になってきていないか。私はやや気になる…。
本日12月15日(木)は、
- SNB(スイス中央銀行)政策金利
- BOE(イギリス中央銀行)
- ECB(欧州中央銀行)政策金利
と、各国の中央銀行声明と総裁による定例記者会見が続く1日。
引き続きトレードは控えた方が賢明でしょう。
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