トライオート(インヴァスト証券)を主軸に、既に1億円を超える自動売買ポートフォリオを構築、運用している2億り夫婦さん。
これまでの投資ヒストリーと、運用方針をインタビューで伺いました。
リピート系自動売買で長期的な資産増を目指すなら、間違いなくモデルケースになると思います。
聞き手◉鹿内武蔵/本文◉尾崎響子
2億り夫婦さんの「億運用」までの軌跡
リーマンショック前にFXを始める。南アランドなどをトレードするもうまくいかず、仕事のために渡米。現地でリピート系自動売買を知り、帰国に備えてテスト運用
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トライオートで自動売買を開始
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2021年4月に運用額が1億円を突破
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トライオートは資金的に上限に達し、トラリピの運用額を増やしつつ、マネーパートナーズの代用有価証券も運用中
独学で実践を積み自動売買の道へ
─まず、これまでのFX、投資歴を時系列で教えてください。
「リーマンショックの1年ほど前からFXを始めました。当時はまだ自動売買に出会ってなくて、裁量で南アフリカランドなどを買っていました。ただリーマンショックが起きて大きな損失を出してしまい、それまでの方法を改めて見直さなければ、と思ったんです。その後は米国に仕事で行っていて、トレードにはあまり注力できなかったのですが、その間にもFXの自動売買をしている会社を現地で見ていました。現地にあったのも、今メインとしているようなリピート系のスタイルで、MT4で動くタイプでした。
トレードの範囲をしっかりと捉えて、長期的な視野を持てばきっと採算はとれる、理屈の上ではうまくいくはずだと確信しており、日本に帰ったら自動売買を始めたいと思っていました。
当時は、自動売買に関する情報源があまり出回っていなかったんです。ネットで調べたりはしていましたが、詳しく書いてあるものがなかったので、実際に少額でお試しトレードを始めて、いろいろと学びました。米国ではそれで感覚をつかんで、帰国してから本格的に自動売買を始めました。3、4年前から今のスタイルに至っています」
─帰国後はリピート系を運用されていますが、最初はどれから始められたのでしょうか。
「インヴァスト証券のトライオートでした。実際に使っている皆さんのブログや取引条件などを見て、コストが一番安く済むかなと思い、当時はトラリピが主流でしたがトライオートを選びました。
FXでは裁量でポンド円もやっていたのですが、怖さを感じてすぐに止めてしまいました。基本的に裁量トレードは、ポジションを持ちつつのんびり待つタイプのスワップ狙いくらいしか運用していません」
─今の運用の成績を教えていただけますか。
「トライオートは、毎週末に最新情報をブログに載せています。先週(1月14日)時点では、156週目で資金は1376万円、累積利確額が1129万円でした。平均して1日約1万円の利益を出しています。2020年のコロナ直前に仕掛けたものが最初の何か月かは大きくマイナスになったのですが、その後は上下しつつも、プラスの状態が続いています。
これまでのトータルでは、2021年の4月に1億円の運用を達成しました。私は『50歳までに2億円の貯蓄』を投資目標として掲げています。仕事が楽しいので、貯まったからといってリタイアするつもりはありませんが、最終目標はそこを目指しています」
相場は動いてさえいればOK。仕掛けたあとは待ちの一手
─では、現在はどのようなライフスタイルで投資されているのでしょうか。
「私の基本スタイルは『ほとんど何もしない』です。あらかじめ注文を仕掛けてあるので、たまに何か抜けがないかを確認することはありますが、他には取引が成立したことを知らせるメールの数を見るぐらいです。確認するタイミングは相場が大きく動いたときですが、平均すると半年に一回です。例えば急激な円安のような場合は、仕掛けていないところにも動くので、週末の時間があるときに追加で仕掛けることはあります。
トラリピでは新規と利食いに分けてメールが来て、それぞれがフォルダ内でスレッドとしてまとまるんです。普段はその件数を見て、今日は新規の方が多いなとか、大体の傾向をつかんでいます。ただ、それを見て何かアクションを取るわけではありません。
基本的に平日は仕事で、相場を見る時間がほとんどないので、FXではこのスタイルです。もちろんスワップ運用なども少しはしていますが、アクティブなものはこれだけですね」
─例えば今日(1月18日)は、お昼ごろの日銀の動向が注目を浴びていましたが、政策に変更がないと分かった途端に相場がはね上がりました。そのような指標やニュースには普段から注目されているのでしょうか。
「為替など経済に関係することはニュースで見ていますが、投資に特化した情報収集はほとんどしていないです。岡三オンラインマガジンからは毎日メルマガが来るので、今日の相場の予測は毎日見ています。
今日の日銀の動きはトレードに影響はなく、いつもよりメールが少し多いなと思うくらいでした。リピート系の自動売買は相場が動かず投資機会がないことが一番もったいないので、プラス・マイナスどちらの方向でもいろいろとニュースがある方がいいんです。一時的にはマイナスが増えるにしてもこれからのプラスの糧になるので、動いてくれればそれで十分と思っています。例えばコロナ禍でも一回下がってから大きく上がってきたので、そこに全て仕掛けておけば結果的に大きなリターンになります。
今の時期ですと、マイナススワップが発生する通貨ペアもあるので、動かないとストレスに感じる方もきっといらっしゃるのではないかなとは思います」
マネパ運用は三つの良いとこ取りのスタイル
─メインで使われているのはトライオート、トラリピでしょうか。それぞれどんな面に特徴や良さを感じているのか、教えてください。
「トライオートは同じ設定で取引をした際に、手数料やスワップの条件、約定力などにおいてコスパが良い通貨ペアが多いです。同じ設定でも、トラリピで引っかからなかったのにトライオートでは約定に引っかかることがあります。実際に長い期間での比較検証を何度かして分かったことなのですが、ほとんどの通貨ペアでトライオートの方が成績が良く、数パーセントから10%は違います。この違いは大きいと思っていて、基本的にはトライオート推しです。
ただ使いやすさの面ではトラリピが勝りますし、トライオートは個人用では発注上限がある一方でトラリピはないため、今後増やしていくのはもっぱらトラリピの予定です。トライオートはトレード量的に飽和してしまってこれ以上は増やせない状況ということもあり、そのような使い分けをしています。
その他に、マネパ(マネーパートナーズ)の代用有価証券も使っているので、リピート系は合わせて三つです。代用有価証券とは株を証拠金にするもので、個人的に好きな商品です。これまでの二つとは全くの別枠で、このために株式を買うこともあります。インデックス型に連動するものをメインで少しずつ買い増していきながら、それを証拠金にしてトラリピと似た設定で取引しています。マネパでは1万通貨単位からしか仕掛けられないので、10銭刻みではなくて1円刻みでトラップを仕掛けていますが、あとの設定は同様です。
口座がクラッシュしなければゆくゆくは儲かるはず、という理屈で取り組んでいます。せっかく持っている株は使いたいですし、株価が上がって配当も入って、かつFXでの運用益も出る、という3本立てがおいしいですよね。
株に関しても基本的には持ち続けるので、証拠金も買い回していくスタイルです。この場合の株には配当もありますし、商社系も多いです。気になったものを都度買い足しています」
2億り夫婦さんが使っているFX会社
─リピート系は普通の裁量トレードとは毛色が異なりますよね。どのように学べばいいのでしょうか。
「リピート系でトレードされている方のブログを読むのは、一つの良い方法だと思います。丁寧に噛み砕いて書かれている方が多いですし、他にも最近は証券会社が動画サービスを運営しているケースもあるようなので、そういう機会を利用してどんな風に動くのかを学ぶのもいいかもしれません。
注意点として、『自動売買は儲かる』と思い込んで参入すると危ないです。自分で設定するパラメーターもありますし、どのぐらいのリスクがあるかを理解してから始めるべきです。元も子もない言い方ですが、その難しさをちゃんと理解していない人にはそもそもお勧めできない手法だと思います」
─資金に対して積み立てていくような方法についてはどう思われますか。
「あまり無理をしなければ、十分あり得る方法だと思います。リピート系で複利運用ができればとても強いです。リピート系の利益率はどれだけ資金投入するかにもよりますが、そこは自分で調整できます。安全性を鑑みる運用もできますし、そうでなければリスクを取りながら利益率を上げることもできます。今、どのくらいの利益率で運用できているかを把握して、その比率でいいと思えば資金やトラップも足せます。特にトラリピに向いている運用方法で、ありだと思います。
例えば3万円ずつ毎月足すとしたら、細かい注文追加はせず、ある程度まとまった資金で1通貨ペア追加するイメージです。もちろん同じペアでトラップを増やすこともありますが、1通貨ペア分は入れた上で、トラップもまとめてセットして発動させるスタイルです。なので見た目としては、ガクガクと上下しながら動いていくような形に見えます。細かく設定した場合、上手に管理しないとわけが分からなくなってしまうので、通貨ペアごとに追加しています。
想定しているレンジがあったとして、追加しようと思ったときの相場で上か下に寄っている通貨ペアがあるタイミングで始めると、気分的に含み損が出にくく、有利かなと思います」
リテラシーを身につけて「気にしない」姿勢を貫く
─現在の情報発信は、どのような思いがあってされているのでしょうか。
「私は医者なのですが、同業者である医者にもっと広めたいと思ったのがきっかけです。実は医者には投資リテラシーが低い人が多く、不動産投資や勧誘の電話に乗ってしまうケースがよくあるんです。そういう人たちが投資リテラシーを高められるよう始めました。
FXというとギャンブルと勘違いしている人が多いですよね。株でも何を持ったらいいのか分からなかったり、そもそもインデックスすらよく理解していない人がいます。せっかくお金があるなら、多少なりとも投資してちゃんと運用すればいいのにと思います。少し勉強したら安全に運用できるので、その機会損失がもったいない。もちろん医師に限るわけではなくて、投資をしている皆さんのリテラシー向上に貢献できればいいなと思っています。
あとは自分の投資を記録しておくことで定期的にレビューができますし、状況確認にもつながりますのでブログをやっています。慣れてしまえば1記事を20分ほどで書けることもあり、続けています」
─FXで成功するには、どんな人が向いているのでしょうか。
「やはり『気にしない人』です。極端に言えば、ニュースすら気にする暇がなく、日々相場を見る時間がない忙しい人に、個人的にはお勧めします。自分のようにメールの量レベルしか気にしないスタンスですね。
リピート系の自動売買は、とにかく相場が動いてさえいれば、長期的に利益を上げてくれるものです。お仕事や子育てなど、他にメインで頑張っていることがあったり忙しいけどやりたいことがある方にとっては、一度仕掛けてしまえば一生ものなので、『時は金なり』とある通り、無駄な時間なく放置しておけることがメリットです。
一方で、一度仕掛けてしまうとやはりその後の動きが気になってしまうものです。基本的には常に含み損を抱えている状態にはなるので、その赤い字が表示され、膨らんでいくストレスに耐えられず、しょっちゅう損切りする方には向かないのではないでしょうか。私は理屈として、マイナスが出るのが当たり前でないと、その後のプラスにもつながらないものだと捉えてトレードしています」
─資金は少ない、でも自動売買を始めたい読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
「通貨ペアはあまり増やさずに、トラップを間引くイメージで、間隔を空けて気長に待つようなトレードをしてみるといいと思います。私もずっと昔に、少額ではどんな風に始めるといいかをテーマにブログを書いたことがあるのですが、1ペアないしは2ペアくらいで始めてみることです。
ただあまりまばらにすると、取引回数も少なくて面白みがなくなってしまうと思いますし、そういうときに限ってマイナスが出てしまうものです。その場合に、長期的な視野を持ち、これは長期で待てば利益を上げてくれるパターンだと理解し、気長に待てる方が向いているということです。
自動売買は、本当に放置するのが一番です。トラリピの運用では、含み損がいくら膨らんでも騒がず、損切りせずに待てるかがポイントになります。これまでの話の通り、時には資金を増やしていく場合ももちろんありますが、普段は何もしない、何も見ないくらいがちょうどいいということを念頭において、トレードしていきましょう」
インタビュー日◎2023年1月18日
リピート系自動売買の基本的な仕組み
トライオート(インヴァスト証券)の特徴 |
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① スプレッドが狭いため約定しやすく、売買回数が多くなる期待がある |
② 最初からセットになっている自動売買(セレクト)を選ぶだけで、すぐに運用をスタートできる |
③ 有名トレーダーが構築した戦略も運用できる |
④ 自分で自動売買を作れる(ビルダー) |
⑤ 自動売買同士を組み合わせて、ポートフォリオを構築できる |
⑥ 自動売買単体や、ポートフォリオのシミュレーション結果を参照でき、必要な資金や想定されるリターンを知ることができる |
⑦ 裁量トレードもやりやすい |
⑧ インヴァスト証券の口座で、自律的に相場を学習していく自動売買、マイメイトも運用できる |
⑨ FX以外に、ETFをトレードできるトライオートETFも利用可能 |
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トラリピ(マネースクエア)の特徴 |
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① リピート系自動売買の元祖であるため、自由度が非常に高く、できないことはほとんどない |
② PC、スマートフォン共にアプリが使いやすく、視覚的に自動売買の設定が可能 |
③ そのリピート系自動売買の最大リスクが分かる必須ツール、トラリピ運用試算表が使える |
④ 学習コンテンツが豊富 |
⑤ ニュース配信量が多く、情報収集にも便利 |
⑥ 決済トレールが使用可能 |
⑦ 株価指数のトラリピも運用できる |
⑧ 運用資産が多い投資家は、スリーミリオン倶楽部を利用でき、さまざまな優待を受けられる |
⑨ 注文金額の上限に到達しにくく、大口取引向き |
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2億り夫婦 自動売買の心得まとめ
【1】余計なことはしない。とにかくこれが一番重要
【2】コロナショックのような大きな谷を作ると、価格が戻ってきたときに大きな利益になる
【3】コスト面でメリットがあるのがトライオート。取引量の上限と使いやすさはトラリピと、それぞれにメリットがある
【4】マネーパートナーズの代用有価証券で、株の運用益、株の配当益、FXの運用益と3度おいしい
【5】リピート系のブログには、情報が丁寧で分かりやすいものが多い
【6】リピート系は、定期的な積立も有効
【7】含み損は将来の利益につながると解釈し、気にしないことが重要
2億り夫婦さんが使っているFX会社
FX雑誌「外国為替」vol.13
発売:2024年10月22日(火)
定価:980円(本体891円)