トレイダーズ証券
【PR】記事内に商品プロモーションを含む場合があります。
相場師クロ(黒田雄士)氏インタビュー「移動平均線にタッチしてからの反転を狙うトレンドフォロー」

相場師クロ(黒田雄士)氏インタビュー「移動平均線にタッチしてからの反転を狙うトレンドフォロー」

当サイト限定マネーパートナーズタイアップ

利益確定は早く!損切りは超早く!!

本誌で人気コラムを連載している相場師クロさんにトレンドフォローについてお聞きしました。クロさんいわく、トレードで勝つために重要なのは「基準」を作ること。クロさんのトレンドフォローにおける「基準」について、根掘り葉掘りお聞きしました!

相場師クロ氏のプロフィール
相場師クロ(黒田雄士)氏プロフィール

FX専門コンサルティング会社 / オーケーインテリジェンス合同会社CEO。為替から株までやる相場師。FXはSMA・水平線軸のテクニカル、短期デイトレ、月利回り命。株式は需給分析ベースのロング&ショート。

取材・本文◉北原拓実

IG証券

トレンドだと判断する基準を自分の中で作ることが重要

北原拓実(以下:北原) クロさんが考えるトレンドとはどのような状況なのかを教えてください。

相場師クロ(黒田雄士)(以下:黒田) 為替の場合は一定期間、買いもしくは売りの方向に値動きが発生している状態だと思います。一般的な認識と変わらないです。

北原 例えば、ローソク足が右肩上がりに上がっていると上昇トレンドと判断すると。

黒田 そうですね。基本的にはアップトレンドであれば高値と安値がずっと切り上がり続けている状態で、ダウントレンドだったら高値と安値がずっと切り下がっている状態です。チャートでそのような動きを「トレンドが出ている状態」と認識するのが一般的です。

 重要なのは、自分の中でトレンドの「基準」を作ることです。例えば、上昇トレンドであれば、高値と安値が切り上がっている状態や高値更新を続けている状態という何らかの「基準」があるわけです。

 その「トレンドとはどういう状態を指すのか」という基準を自分の中で作っておいて、それに従って自分はどういうトレードをしていくのかというルールを構築し、作ったルールに従うことを徹底するのが、トレードにおいては一番大切なんです。

 ダウ理論でトレンドを判断する人も多いですが、ダウ理論だけがトレンドを認識する唯一の基準ではありません。自分の中でトレンドに関する明確な基準があれば、判断方法は何でも良いと私は思っています。

北原 ダウ理論でも、移動平均線の傾きでも、ボリンジャーバンドのバンドウォークでも、自分の中でトレンドの基準があれば良いということですね。

黒田 極論をいってしまえば何でも良いです。ただ、「このときはどうなんですか」「あのときはどうなんですか」と他人に聞かれたときに明確に答えられないと、基準としてはあやふやです。そう聞かれたときに、「私の基準だったらアップトレンドですよ」と明確に答えられることが、トレンドを判断するためには重要だと思います。

北原 言語化できることが本当に基準を理解しているという点で重要なのですね。これからトレンドフォローをするにあたっておすすめの通貨ペアはありますか?

黒田 基本的には変にスプレッドが広がっていなくて、流動性の高い通貨ペアが良いのではないでしょうか。私としては欧州の主要通貨が良いのかなと思います。

 私が今中心に見ているのが、ポンド円、ポンドドル、ユーロ円、ユーロドル、たまにドル円という感じです。ドル円に関しては、最近はよく動いていて、良くも悪くも注目されているのでチェックはしていますが、普段はあまり値動きをする通貨ペアではないので、日常的に注目しているわけではありません。

北原 スプレッドが狭くて、流動性の高い通貨ペアを選んでいくのが良いんですね。

黒田 流動性が高いか低いかは明確に数字に表れて見えるものではないので、基本的にはスプレッドが広がりにくい通貨ペアがおすすめです。マイナー通貨もしっかりと研究した上でやるのであれば良いとは思いますが、トレード初心者ならメジャー通貨の方がいいと思います。

損切り幅は1に対し利益は2~3倍に設定

北原 クロさんが実際に使っている手法を教えてください。

黒田 エントリーの方向性を決めるのは1時間足で、実際にトレンドが出ているかは5分足~15分足で判断しています。まずは1時間足で買い方向で行くなら買い、売りの方向で行くなら売りと目線を決定し、1時間足で決めた方向に沿ったトレンドが、5分足や15分足レベルで出てくるかどうかを見ていきます。

 このときに、日足や4時間足でローソク足の上下にレジスタンスラインやサポートラインとして機能している移動平均線や水平線がないかを確認し、値動きの邪魔になりそうな移動平均線や水平線があればエントリーはしません。

 エントリーの判断は20SMA、40SMA、50SMA、100SMAの4本のSMAと水平線を用いて、ローソク足との位置関係やタッチしたところで判断していく形です。

北原 利益確定はどのように判断されていますか?

黒田 利確は損切り幅に対して、2~3倍に設定しています。仮に値動きがまだ伸びる可能性があったとしても、損切り幅に対してMAX3倍の利益が取れるところまで来たら、そこで利益確定をします。

 もし、少し届きそうにないなと判断したら、リワード2~2.5ぐらいで終わらせることもあります。

北原 MAX3倍までで終わらせるのはどうしてですか?

黒田 リスクリワード比を1対1にするという考え方も否定はしませんが、その場合は勝率が7割くらいないと利益が残りにくいんです。データ集計をした結果、リスクリワード比は1対2~3ぐらいで利益を確定していった方が利回りが一番良かったんです。

 反対に、リワードを3以上引っ張ると、含み益を失う場合や利回りが悪くなる場合が多かったので、リスクリワード比は1対2~3にしています。

北原 損切りの基準を教えてください。

黒田 エントリーから逆行したところに設定しています。だいたい10pipsほどです。例えば、移動平均線にタッチしたところで買いエントリーをするのであれば、そこのタッチから反転して上昇していくのが想定プランです。

 その想定が否定されたらロスカットになるように、基本的には自分のエントリーポイントになる移動平均線や水平線を貫通する外側のところに、10pips程度に設定したロスカットを置くというのを基準にしています。

トレンドフォローをすれば勝ちやすくなるわけではない

北原 日本人トレーダーは逆張りが好きな人が多いとよくいわれていますが、クロさん的には、逆張りとトレンドフォローだと、どちらの方がトレードをしやすいみたいな考えはありますか。

黒田 それぞれ特徴が違うので、どっちが簡単でどっちが難しいみたいなのはないと思います。トレンドフォローは今のトレンドの流れに乗っていくイメージで、トレンドが続いてさえいれば大きな値幅が狙いやすい特徴があります。

 一方で、既に発生しているトレンドに途中から乗るため、損切りを置くのが難しいです。トレンドが完全に崩れるまで損切りを置かない場合、際限なく損切りの幅は広がっていきます。

 ロスカットをする基準を自分で判断できない人には、個人的にトレンドフォローの方が難しいというイメージがあるんですよね。逆張りの場合は、チャートの切り返しを狙ってエントリーをしていくイメージで、想定と違ったらすぐにロスカットをすればいいので、損切りを設定しやすいと思います。

 一方で、逆張りは本来のトレンドに対して文字通り逆張りをしている形になるので、エントリーした方向への動きが継続する時間はそんなに長くはありません。そのため、値幅を取りに行こうとしてしまうと勝ち切れず、逆に負けてしまうということが起こりやすいです。

 トレンドフォローにも逆張りにも一長一短があるということですね。そもそも、エントリーや出口戦略、資金管理などを明確にルール化しないと、どちらのトレードをやるにしても負けてしまうと思います。

北原 トレンドフォローすれば勝てるのであればみんなやりますよね。

黒田 結局のところ、勝てるやり方が一番正しいんです。ただ、その勝てるやり方にたどり着くまでにやらなければいけない試行錯誤が非常に面倒くさいんです。

 相場状況の判断方法やエントリー、損切り、利確をする際の基準を作らなければいけないし、本当にその基準で勝てるのか、利益を取れるのかを何度もトレードをしてデータを取って判断しなければいけません。勝てなければ一からやり直しですし、相場が変われば調整し直す必要があります。

 この作業が面倒くさいから「トレンドフォローをすれば勝ちやすい」みたいな安易な話に飛びついてしまうんだと思います。試行錯誤を繰り返すことを厭わないごく一部の人が結果を出しているというところなんでしょうね。

トレードに絶対的な手法はない。常に試行錯誤することが大切

北原 最後に読者に向けて一言お願いします。

黒田 トレードには人それぞれいろいろな考え方やポリシーがあります。トレンドフォローが絶対的に正しいわけでもないですし、私の手法が誰にとっても正しいわけでもありません。

 私が考える良いトレードとは、安定した収益を残し続けることができるトレードだと思っています。安定した収益を残し続けるトレードを実践するためには、自分の中に一貫した基準を作ることが大切です。

 トレンドフォローであれば、自分にとってトレンドとはどういう状況を指しているのか、そのトレンドに沿ってどのようなルールを適用するのかを言語化し、その言葉にした通りのことを実行することです。

 それには訓練が必要で、十分な検証と、失敗できるうちにデモトレードなどを利用して試行錯誤し、やってはいけないトレードをあぶり出しながら修正を加えて腕を磨いていくことが一番大事だと思います。

 そして、どんなトレードでも1回ごとの損失はなるべく小さくしましょう。

 1回のトレードで一気にお金を溶かしてしまうと、そこから立ち直るのが非常に大変になってしまうので、いかに無駄なポジポジ病で負けてしまうことをなくしつつ、1回の損失を小さくして、次の戦いに備えるかです。

 退場を防ぐためにも、資金管理の部分はどんなトレードをする場合でも、必ず意識するべきだと思います。

インタビュー日◎2024年5月15日

Column|順張り? 逆張り?どちらが良いか悪いかという話ではない!

クロさんが考える順張りの特性

メリット
相場が続伸すれば大きな値幅が狙いやすい

デメリット
既に発生しているトレンドに乗るため、損切りの設置位置が難しい。ロスカットの基準を持たない人には特に難しい

クロさんが考える逆張りの特性

メリット
チャート上の価格反転を狙うため、損切りの場所が分かりやすい

デメリット
トレンドに逆らっているため値幅は取りにくく、欲張ると負けやすい

結論

順張り、逆張りともに一長一短で、どちらが優れているという話ではない。どちらにせよエントリーや決済の基準、資金管理など、トレード手法全体のルールが明確でなければ何をしても負ける。

まとめ①|1時間足の価格と移動平均線の位置関係で目線を決める

ユーロ/円1時間足チャート

最初に1時間足をチェックし、価格と移動平均線の位置関係で売買する方向を決める。価格が切り上がっており、移動平均線が上向きなら上昇トレンドと判断して買い目線、反対に価格が切り下がっており、移動平均線も下向きなら下落トレンドと判断し、売り目線と決める。目線を決められない場合はエントリーをしない。移動平均線の期間は20、40、50、100がおすすめ。 

まとめ②|エントリーは15分足と5分足のローソク足と移動平均線で判断

ユーロ/円5分足&15分足チャート

エントリーの判断は15分足と5分足で行い、トレンドが発生する初動を捉えにいく。一例としては、ローソク足が一度上昇して高値を更新し、そこから押し目をつけたところでエントリー。エントリー後に高値と安値を切り上げていく形を想定してトレードする。押しや戻りの目安としては、移動平均線や意識されている価格帯に引いた水平線にタッチしたところからの反発を狙う。

まとめ③|日足や4時間足で邪魔者がなく空間が空いているかを確認

ユーロ/米ドル4時間足チャート

日足や4時間足で、エントリーしたい方向にレジスタンスライン、サポートラインとして機能している移動平均線や水平線がないか確認。例えば、ローソク足の上方向に移動平均線が位置していた場合、移動平均線がレジスタンスラインとして機能してしまう可能性があり、ローソク足が動きづらい。エントリーしたい方向に十分な空間がないならトレードは見送る。

まとめ④|リスクリワードの目安は1:2~3、それ以上の利益は狙わない

ユーロ/円5分足&15分足チャート

損切りはエントリーポイントの外側に設定する。損切り幅は10pips前後。利益確定は損切り幅に対して最大3倍で設定し、それ以上の利益は狙わない。ただし、必ずしも3倍まで引っ張るのではなく、相場状況によっては2倍~2.5倍で利益確定を行う場合もある。引っ張りすぎて含み益を失うよりも、利益の確保を優先する。

トレード例①|移動平均線へのタッチを狙って上昇トレンドに乗って利益を取る

ユーロ/円1時間足&日足チャート

まずは日足と1時間足で環境認識。最初に1時間足で移動平均線とローソク足の位置関係を確認し、ローソク足が高値と安値を切り上げており、移動平均線も上向きなので買い目線。次に日足で買い目線に対する方向にレジスタンスラインとなりそうな移動平均線や機能している水平線がないかをチェックする。

▼5分足と15分足でエントリーポイントを判断

ユーロ/円5分足&15分足チャート

エントリーは5分足~15分足で判断。押し目をつけた後の反発上昇を狙い、移動平均線や水平線にタッチしたところで買いエントリー。上の例だと、エントリー後に相場は上昇を続けており、上昇トレンドに乗ることができた。損切りはエントリーしたポイントから約10pips逆行したところに逆指値を設定。利食いはリスクリワードが1:3になるように、約30pips上昇したらそれ以上の値幅は狙わずに決済。

トレード例②|上昇トレンド中の深い押し目を狙う逆張りのトレードで利益を取る

ポンド/円1時間足チャート

上昇トレンド中に深い押し目を作るところを狙って、逆張り的なトレードで利益を狙うことも可能。上記の1時間足を見ると、全体としては上昇トレンドが継続しているが、ところどころで一時的に下落しているポイントがある。その一時的な下落を狙って下位足で売りエントリーをする。ただし、トレンド自体は崩れていないため、素早く取引を終わらせないと逆行して損失を出してしまう可能性があるので注意。

▼5分足と15分足でエントリーポイントを判断

ポンド/円5分足&15分足チャート

5分足ではトリプルトップを作ってから、一度ネックラインを下抜き、再上昇して移動平均線にタッチ。15分足は上昇トレンドが続いていたものの、一つ前の高値を切り上げられずにトレンドが崩れるところを狙う。この5分足と15分足の移動平均線へのタッチが連動するタイミングで下落を狙って売りエントリー。   

ABOUT ME
相場師クロ
FX専門コンサルティング会社 / オーケーインテリジェンス合同会社CEO。為替から株までやる相場師。FXはSMA・水平線軸のテクニカル、短期デイトレ、月利回り命。株式は需給分析ベースのロング&ショート。
DMM FX
GMOクリック証券
【最新号】かかってこい令和恐慌~僕らにはFXがある
外国為替vol.12表紙

FX雑誌「外国為替」vol.12

発売:2024年8月22日(木)
定価:980円(本体891円)

Amazonで購入する

ノックアウトオプション|少額資金で大きな利益を獲得できる仕組みとは?
IG証券
関連記事