毎月の月初めイベントである「米雇用統計」を前に民間の「ADP雇用者数」「ISM製造業・非製造業」は、やや悪い結果が続きました。為替は再びドル売りを強め、ドル円レートは下落トレンドしっかりという感じでした。
ECB政策金利発表
■6月5日(木)21:15~「ECB政策金利」発表
8会合連続となる25bpの利下げをECBは発表しました。ECBもラガルドECB総裁も「インフレ率は現在、中期目標である2%付近にある」「米国の関税が見通しを難しくしている」とし、米国関税措置がユーロ経済圏に打撃を与えるような発言もしっかりしていました。
ラガルドECB総裁は「新型コロナウイルス、ウクライナでの不当な戦争、エネルギー危機といった複合的な衝撃に対応してきた金融政策サイクルの終わりに差し掛かっているところだ」とも語っており、ECBの利下げもいったん終わりを告げるような発言でした。
一時的にユーロ買いが強まり、ユーロドルが1.14台を大きく上に上昇し始めましたが、1.16台以上を目指すかどうかはドル売りも強まらないとユーロ買いのみでは厳しいともいえます。
トランプ VS イーロン・マスク
週末の「米雇用統計」を控えた前日にまた大きな問題が勃発! イーロン・マスク氏とドナルド・トランプ米大統領の関係が急速に悪化しという報道です。コレが今後の政治・経済の両面で大きな波紋を広げるのではと懸念されています。
対立の発端:大型法案への批判
マスク氏は、トランプ政権が推進する「One Big Beautiful Bill Act」と呼ばれる大型減税・支出法案に対し、財政赤字を2.4兆ドル増加させるとして強く批判しました。彼はこの法案を「無駄だらけ」と非難し、トランプ氏の政策を「債務奴隷化」とまで表現しました。
個人攻撃と契約打ち切りの応酬
この批判に対し、トランプ大統領はマスク氏を「正気を失った男」と呼び、政府との契約打ち切りを示唆しました。マスク氏はこれに対抗し、トランプ氏が故ジェフリー・エプスタイン氏の関連文書の公開を妨げていると主張し、弾劾を求めました。
この対立の影響で、テスラの株価は14.2%下落し、マスク氏の資産は1日で330億ドル減少しました。また、スペースXやスターリンクなど、マスク氏の企業が政府との契約を失う可能性も浮上しています。

週末6日(金)は少し騒動も落ち着きテスラ株もいったん下落は止まりましたが、今後も不安はぬぐいきれないでしょう!
米雇用統計、トランプ VS FRB
■6月6日(金)21:30~「米雇用統計」
♦非農業部門雇用者数
予想:13.0万件
結果:13.9万件
♦失業率
予想:4.2%
結果:4.2%
♦平均時給
予想:3.9%
結果:3.7%
「ADP雇用者数」の結果とは違い、予想よりも強い結果となりました! まだまだ強い米国の結果をみてトランプ米大統領は「FRBの『手遅れ』は最悪だ」とXなどに投稿。「欧州は利下げを10回実施したが、われわれは一度も行っていない。わが国は好調だ。1ポイント利下げを実施せよ、ロケット燃料になる!」この発言がまたドル買いを加速させました!

ドル円レートは指標結果や材料に大きく揺さぶられるも上値も重く底堅い感じが続いています。時には大きな値幅で乱高下するのでレンジといえど甘くはありません。

1週間の通貨強弱を分析すると、円高ドル安基調ではありますが、一気に逆転しそうなほど強弱が激しいのが分かります。ドル円もクロス円もドルストレートもまだまだ乱高下には要警戒といえるでしょう!
6月2週目の注目材料
6月第2週となる6月9日(月)からの注目の材料などは次のとおりです。
■6月9日(月)
豪州休場
■6月10日(火)
ゴト日
■6月11日(水)
21:30~米消費者物価指数CPI
■6月12日(木)
15:00~英GDP・貿易収支・鉱工業生産指数・製造業生産高
21:30~米新規失業保険申請件数・生産者物価指数PPI
■6月13日(金)
23:00~米ミシガン大学消費者信頼感指数
ぜひ参考にしてください!
※6月アノマリー記事も参考にしてください。