6月相場の振り返り
まずは6月相場の振り返りから。
注目された主要国の「政策金利」発表は、ほぼほぼ予想通りで通過。
大きく動くことはありませんでしたが、翌週より円安はより強くなりました。
6月26日(月)~28日(水)に開催された「ECBフォーラム2023」。テーマは「不安定なインフレ環境におけるマクロ経済の安定化」でした。
パウエルFRB議長とラガルドECB総裁の発言は、引き続きインフレ抑制に対する追加利上げにしっかり言及した強いタカ派的な内容でしたが、植田日銀総裁は引き続きYCCに対しての継続を変えるような発言はなく、またもや円安を強く加速させてしまう…。
6月1か月間の通貨強弱を分析すると一目瞭然です。
6月2週目からはユーロ・ポンドの欧州通貨は少し買われはじめ後半には強まっていますが、米ドルはやや売られていたものの中旬から後半にはジワジワと買い戻されています。しかし、円にひたすら売られてどんどん強まっています。
オセアニア通貨である豪ドル・NZドルは中旬頃まではジワジワと買われていましたが、後半にかけて全て売り戻されるような感じでした。
円安・ドル高の流れは加速し、昨年の「為替介入」が実施されたレートまで上昇。
138円台をなかなか抜けなかったレジスタンスを明確に上に抜け、その後は戻らない「レジサポ転換点」で売りを大きく捕まえるとストップロスを巻き込みながらどんどん上昇を強めた感じでした。
同時に「日経平均」もバブル以降の高値を更新し続け、あっという間に34,000円台を突破し、円安と強く連動していました。
7月アノマリー通りに「円安」の流れは続いて行くのか!? 要注目です。
「為替介入」の可能性は?警戒感強まる
6月30日(金)月末週末のNY時間大引け直前のタイミングでイエレン財務長官の発言。
「円安対応の為替介入の是非について、日本政府と調整に入っている」
「私たちのチームは介入の根拠をよりよく理解しており、日本の当局者とも連絡を取り合っています」
大きな為替変動はないままNY大引けのドル円レートは144.300ほどで終わりましたが、7月に日本政府が「為替介入」を実施してくる可能性をより強め、トレーダーも警戒感を強めるしかないでしょう。
7月第1週目の注目したい経済指標は次のとおりです。
■7月3日(月) カナダ休場
8:50~日本日銀短観第2四半期
23:00~米国建設支出・ISM製造偉業景気指数
■7月4日(火) 米国休場
13:30~RBA豪州中銀政策金利
■7月5日(水) ゴト日
27:00~FOMC議事要旨
■7月6日(木)
21:15~米国ADP雇用者数
21:30~米国新規失業保険申請件数・貿易収支
23:00~米国ISM非製造業景気指数・JOLTS求人件数
■7月7日(金)
21:30~米国雇用統計・カナダ雇用統計
ぜひ、参考にしてください!
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