元パチプロ、元株トレーダーにして、発明家兼FXトレーダーと異色の経歴を持つロジット原田さんは、毎日のようにYouTubeでライブ配信をしながらトレードにいそしんでいます。彼はどのようにしてFXに行きついたのか。「見られるトレード」を続ける理由や、「メンタルはありません」と話す彼の揺るぎなき思考法に迫ります。

ロジット原田(はらだ)氏プロフィール
元パチプロ、元株トレーダーにして、現在はFXトレーダー兼YouTuber兼発明家。リーマンショック下で売り戦略から最大2.7億円を獲得したが、東証のHFT導入後に資金を失い撤退。アルバイト生活をしながらFXに転向し、現在に至る。2025年時点で生涯トレード収支約5000万円。YouTubeチャンネル「ロジット原田のFX」では、朝のスキャルピングライブや市況分析を定期配信中。

直感操作で誰でも手軽にきれいな平行線を引けるユニークな定規として発明された「絶対等間スライダー」は、ロジット原田さんの代表的な発明品。磁石の力で定規が紙にフィットして、片手でも真っ直ぐ線が引ける優れものです。2022年2月にクラウドファンディングを行い、目標金額の877%となる87万7000円もの支援を受けて商品化されました。長らく在庫切れとなっていましたが、2025年から製造・販売を再開しており、ベンゴリーショップから購入可能です。
聞き手・本文◉佐野雄二
※FX雑誌『外国為替』vol.16(2025年8月25日発売)より転載 最新号の目次・お知らせはこちら
投資を選んだ決め手はレバレッジというシステム
―ロジット原田さんは、ユニークな経歴をお持ちですが、どのようにしてFXトレーダーになったのでしょうか?
ロジット原田(以下ロジット) 1994年ぐらいから10年ほどはパチプロで稼いでいました。パチンコが好きでやっていたわけではなく、調査や勉強の末に勝つ方法が分かったから、お金を稼ぐ手段と割り切って続けていました。こう見ると、パチンコで一財産築けるじゃないか、と思うかもしれませんが、そうはいきません。パチンコで稼げる度合いには限度があります。FXと異なり、ロットを積んだりレバレッジをかけたりして「一度に得られる利益を伸ばす」ことができないのです。パチンコは一玉4円、メダルは一枚20円と全国一律で決まっていて、一度につぎ込むことができる資金が限られています。だから、月に100万円稼いだりすることはできません。時給換算にすると、2000円程度が限度というところでしょうか。期待出来る時給が2000円以下の台は打たないようにしていました。
―コスパが良くなかったんですね。
ロジット そうですね。たとえ勝ち続けたとしても、パフォーマンスを一定以上に上げることができなかったのです。株やFXといった投資の世界になってくると、ロットを上げれば上げるほど、得られる利益も増えていきます。
パチンコで億単位の資産を築くには10年以上はかかるでしょうが、投資ならばもっと早くにそれが達成できそうだ、と私は考えていました。2005年ごろだったでしょうか。ちょうど当時のパチプロ仲間が株取引に乗り換え、そちらで上手くいっていたので、私も300万円程度を元手に株取引へシフトすることにしました。ネットで株取引が手軽にできるようになってきた時代で、テスタさんのような若いトレーダーもそのあたりで参入してきたころでした。資金が1000万円になった頃、ライブドアショックで一気に300万円失ったこともありました。
―資産の3割を失ったということですよね。
ロジット 手元にまだ700万円残っていたとはいえ、大きな衝撃を受けました。ただ、その経験から急落にも対応できるようになり、資金は8000万円へ。リーマンショック後の暴落相場で売りに徹して、株取引では2億7000万円まで資産を増やすことができました。ただ、その成功の先はまた転落でした。東証のシステムがアローヘッドという高速取引に変わり、相場が様変わりしてしまったんです。
旧システムでは秒単位だった処理がミリ秒単位に短縮され、数ミリ秒以下で注文を出し続けるアルゴリズム取引を行う高頻度取引(HFT)業者が参入してきたんです。人間が目で見て手で発注するのではHFTに速度で及ばず、それまでのようには勝てなくなりました。
相場が変われば優位性のある手法も変わるもの。だから私も相場に合わせて変わらなければならなかったのですが、今までどおりの戦いを続けた結果、資産をすっかり失ってしまいました。少ない資金でトレードできるという点に惹かれてFXにも手を出したのですが、素人が勝てるほど甘いものではなく、結局は借金を作ってしまいました。
どん底に落ちた後、アルバイトを掛け持ちして食いつなぎながら、これを機会に発明家になろうと決心しました。形にしてみたいアイデアは以前からたくさん頭の中にあり、いずれは商品化していければいいな、という強い思いがありました。生活費を稼ぎ、借金も少しずつ返しながら、発明に没頭する日々が続きました。人生の中で一番苦しかった2年間を過ごしました。今でも発明は続けていて、2022年には「絶対等間スライダー」という、等間隔の平行線を簡単に引ける定規セットが、テレビで紹介されたこともありました。
―臥薪嘗胆の日々ですね。FXに戻ってきたきっかけはどんなことだったのですか?
ロジット 事業を立ち上げて発明を続けていたのですが、発明品はすぐお金になりません。製品化までの壁が高く、マーケティングに時間がかかり、量産できるようにならないと利益にならないのです。
ただ、アルバイトを続けていて手元にある程度お金が溜まっていました。株取引は始めるための軍資金がある程度必要ですが、FXであればレバレッジを最大25倍まで活用することができます。少額からでも投資を再開できる見込みがあったため、25万円ほどの種銭をつぎ込んで、FX市場に戻ってきました。
当時は2020年。コロナ相場で、25万円がすぐ100万円になりました。「ちゃんとやれば勝てるな」という確信を得て、FXを続けていこうと決心しました。
株取引のキャリアがFXにも生きてきた
―FXに戻ってきた当時からスキャルピングだったのですか?
ロジット いえ、ちょっと長めのデイトレスタイルでした。株取引をやっていたからか、ダウ先物の動きを常に見る習慣がついていました。ダウが動いた後に時間差があってドル円が動くということに気付きました。常にそうであったわけではありませんが、あの当時はそういう値動きの傾向があり、それでけっこう稼ぐことができていました。
為替市場だけでなく、株式市場との相関があるとは当時から考えていて、それで面白いように稼げた成功体験が「FXなら資産増やせそう」というモチベーションになりました。
―今のようなスタイルになったのはいつごろだったのですか?
ロジット 2022年、コロナ相場が収まって、ウクライナ情勢が始まったぐらいでしょうか。その年の半ばぐらいからはスキャルピングに徹するようになりました。順張りがメインです。10秒足、1分足、5分足、15分足、日足、週足を全部表示させていて、メインで見ているのは1分足です。デイトレードではノイズと言われるような小さい動きがスキャルピングでは狙いどころです。臨機応変に取れそうな所で勝負して、それ以外の所では勝負しません。
決まって狙っている値幅はありませんが、結果的には平均3~4pipsぐらいになります。損切りの設定幅も、傷が大きくならないうちに早めに切るようにしています。
―狙っている通貨ペアや時間帯について教えてください。
ロジット 通貨ペアは、ドル円がメインで、時々ユーロドル。稀にユーロ円、豪ドル円やポンド円です。今は18時によくライブ配信をしています。以前は東京時間のオープン前後~仲値時刻(8時30分~10時30分ぐらい)を狙っていましたが、仲値が不安定になり、狙いにくくなった印象があります。動きが激しく値幅を取りやすいニューヨーク時間でも取引していますが、欧州時間はちょっと苦手です。
―実際のトレードで狙う局面を一つ教えてください。
ロジット ニューヨーク時間は経済指標の前後で相場が大きく動くことがあり、スプレッドも開きます。そういったタイミングでは普段と違う値動きが起こり、大きく相場が動揺します。そうした「急騰・急落」が起こって値動きが落ち着かず、上下に大きくブレているときに順張りを狙うことがあります。発表直後は大きく上下に動き、市場参加者の落ち着きを示すように、時間の経過とともに波が小さくなっていきます。狙えるチャンスは上下2往復分ぐらいが目安でしょうか。
ただ、重要度の高い経済指標が発表されたからといって必ず相場が大きく動くとは限りません。スプレッドも拡大しますしね。チャンスがあれば狙っていきますが、リスクもあるため、無闇に飛びつかないようにしています。
図1 大きく揺れた相場から着実に波を拾う

重要な経済指標の発表直後は、大きく相場が動くことがあります。スプレッドも広がりやすい反面、ボラティリティが高く、短時間で値幅を狙うスキャルピングには適した局面です。このタイミングでは、動いた方向に順張りし、波が小さくなる前の動きを狙っていきます。ロジット原田さん曰く、「2往復」がひとつの目安。もちろん、指標発表直後は相場が非常に不安定です。指標発表前にポジションを整理しておくのはもちろん、損切りをあらかじめ決めておき、機械的に執行することが前提となります。
継続的な毎日配信がもたらしたもの
―毎日配信をされていると、いろいろなことがあるかと思います。配信中はどんなことを意識していますか?
ロジット 常に何かしら喋るようにしています。もっとも、喋ることが多すぎて間に合っていないのが実情ですが(笑)。聞いている人、見ている人が退屈してしまうので、無言が嫌なんです。
毎日配信は辛いこともあります。配信ではなくトレードに集中したいとは思っていても、配信開始の時間が迫ってくると、どんなにいい所であっても配信を始めなければならないもどかしさがありますね。
時にハプニングが起こることもあります。最近ですと、昨年4月29日に日銀の為替介入がありました。普段のように朝のライブ配信をやっている最中に、為替介入が始まってしまったんです。
後で取り返せたんですが、いきなり100万円負けてしまったりして、普段どおりに終わる予定だったのが12時間にわたる超長時間配信になってしまったということもありました。
―配信を続けることで、どのようなものを得られましたか?
ロジット 一番は人の縁でしょうか。配信を続けるなかで、多くの方に「ロジット原田」を知っていただきました。毎日視聴してくれるファンも増えていきました。配信をしていると、スーパーチャットを投げてくれる人もいます。たまにとんでもない金額を投げてくる(通称赤スパ)人もいて、それが今までお世話になった人だったりすると、何百人も見ている前で涙腺が緩んでしまうことがあるんです。本当にありがたいと思ってます。
第2回FXコレクティブに参加したとき、Hiroさんに声をかけていただき、その後ジュンFXさんのようなFX界のレジェンドトレーダーの皆さんとも知り合うことができたのは、やはりトレードの配信を続けてきたからだと思うんです。
自分の姿を出して配信していなかったら、どこの誰だか分からん、ただのおっさんトレーダーだったわけです。今回、『外国為替』さんに取材していただくことになったのも、YouTubeでライブ配信を続けてきたからこそ。じゃないですか? そのような人の縁のつながりに比例して見識も広まりました。
最適解を見つける思考にメンタルの入る余地なし
―2024年に、ブレイクアウトフォーラムでロジット原田さんのお話を聞いていました。あの場で全てを聞くことはできなかったのですが、「メンタルがない」というフレーズが非常に印象に残っています。「メンタルがない」とはどういうことなのでしょうか。
ロジット よく、「メンタルを強くしたい」とか、「メンタルを鍛えるにはどうすればよいか?」といった話を耳にすることはありませんか? それはメンタルが「ある」ことを前提にしているから、そういう考えになるんです。最初からメンタルなんてなければ、機械のように淡々と取引することができるはずです。心をどうコントロールするかではなく、思考の持ち方の問題だと私は考えています。
子どものころ、「あんたは理屈っぽい」と親からよく言われていました。物事を筋道立てて考える子どもだったのだと思います。パチプロ時代、全くメンタルがブレることはありませんでした。相手が機械だから、たとえ大負けしたとしても、運が悪かっただけだと考えていました。
もちろん、「メンタルがない」というのは、感情そのものが存在しないという意味ではありません。今でも配信中に人の優しさに触れたりすると、かなり感情を揺さぶられますし、喜怒哀楽は当たり前のものとして存在します。負けて悔しいと感じることだって当然あります。
ただ、トレードにおいては、いくら嬉しくなったり悔しくなったりしても、「じゃあどうするのか?」と、結局は今できる最適解を見つけることに思考が行きつきます。感情そのものが悪いのではありません。「怖い」「悔しい」「嬉しい」といった感情が浮かぶこと自体は自然なことです。
でも、今できる最適解を見つけることに、感情的な判断が寄与することはありません。大事なのは、感情が判断に入り込まないように、日頃から思考の回路を整えておくことです。
パチンコの場合は相手が機械であり、私は期待値に従って淡々と動いていました。回数をこなせば期待値のとおりに結果が収束していきます。だから、勝ちに喜ぶこともありませんでしたし、負けたからといって怒り狂うこともありませんでした。もたらされる結果と感情は関係ないものと考えていたのです。
そうした経験もあって、トレードにおいても「今できること」をロジカルに突き詰めていくことが習慣となりました。最適解を導き出す過程に必要なのは思考であってメンタルではない。思考をロジカルに偏らせることが、思考に感情の入り込む余地をなくす一つの手段だと思います。
図2 「ある」と考えるからドツボにハマる
メンタル「あり」のトレード
●大負けしたら、一度トレードから離れてリフレッシュする(散歩をするなど)
●大勝ちしたら、調子に乗って利益を減らさないようトレードから離れる(早く寝るなど)
●ルールを書き、壁に貼って復唱するなど、感情に流されないための方法を考え、実行する
⇒ メンタルの「制御」に余分な労力がかかってしまう
メンタル「なし」のトレード
●トレード結果に必要なのは思考のみ
●余計なことは考える必要がない
⇒ 「今できる最適解」を常に考え、実行に移すのみ
| メンタルに悩むのはトレーダーによくあることです。しかしロジット原田さんはこう指摘します。〝メンタルに悩む人の多くは、自分の感情が意思決定に影響するのを前提にして考えようとしている。けれどもトレードにおける判断は本来、事実ベースの論理によってなされるべきもので、そこに感情が入り込む余地はないはず。「心と論理は切り離すのが当たり前」と習慣づけることで、判断は自然とロジカルに寄っていく〟――それが「メンタルは最初から存在しない」という思考の核にあります。 |
―『外国為替』の読者へ一言お願いします。
ロジット 「相場は生き物だ」と考えています。ある手法で今まで稼いでこられたとしても、明日には通用しなくなるかもしれない。だから、日々相場を見て、日々勉強を続けていくことが、勝つ秘訣なのだと思います。
私が株取引で大負けしたのも、東証のシステムが変わったという「相場の変化」があったのにもかかわらず、自分を貫くことに固執して、変化に対応できなかったからです。相場が自分に合わせてくれることはないのですから、相場やシステムに変化があったら、自分も変わって相場に合わせていくことです。
私、ロジット原田は毎日リアルタイムトレードをYouTubeで配信しています。タイミングが合えば、ぜひ御覧ください。メンタルでお悩みの方は、チャット欄などで質問などしていただければ、可能な範囲でお答えします。FXで勝つのは決して簡単ではありませんが、頑張って稼げるようになりましょう!
インタビュー日◎2025年6月3日
EditorʼsNote
①トレード配信を通じて得られた縁が自分の世界を広げている
②「今できること」を突き詰めることが思考を安定化する
③常に変化する相場に合わせて柔軟に変われるトレーダーが生き残る
毎日繁盛「ロジット原田のFX」

ロジット原田さんはYouTubeで毎日FXのライブ配信を行っています。東京時間に始まることもあれば、FOMCなどの重要な経済指標のタイミングに合わせて臨時ライブを行うこともあります。一度の配信で3時間4時間という長丁場になることもザラで、ずらりと並ぶアーカイブの再生時間が、彼のバイタリティの高さを物語ります。





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