トランプ新関税、中東緊迫化、そしてFRB「利上げ」の影
2月3週目の金融市場は、米国の政治動向、地政学リスク、そして金融政策という3つの大きな波に揺さぶられる1週間となりました。
特にトランプ米大統領による新たな関税措置の発表と、米連邦準備理事会(FRB)の議事要旨から浮上したサプライズは、今後の相場環境を読み解く上で極めて重要なシグナルとなっています。
主要な3つのニュースを振り返ります。
【1】トランプ大統領、世界一律10%の関税を発動
連邦最高裁がこれまでの関税措置の大部分を無効とした判断を受け、トランプ大統領は直ちに対抗措置に打って出ました。1974年通商法122条を根拠に、全ての国々に対する一律10%の関税を課す布告に署名し、日本時間24日午後2時1分に発効する見通しです。
■市場の反応と今後の懸念点
- 当初、通商法122条に基づく最大税率である15%が警戒されていましたが、10%に留まったことで、株式市場では一時的に安堵の買いが広がり、債券利回りも上昇幅を縮小しました。
- ブルームバーグ・エコノミクスの推計では、米国の実効平均関税率が現在の13.6%から16.5%に跳ね上がる可能性があり、グローバルサプライチェーンへの悪影響が懸念されます。
- トランプ氏は連邦最高裁を強く批判しており、関税還付を巡る最大約26兆円規模の長期的な法廷闘争に発展するリスクも孕んでいます。
【2】FOMC議事要旨から「利上げ」の可能性が浮上
マーケットにとって最大のサプライズとなったのが、1月27〜28日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨です(2月18日にFRBが公表)。これまで市場の関心は「いつ利下げが始まるか」に集中していましたが、今回の議事要旨では状況が一変しました。
■FRBのスタンス変化のポイント
- 複数の参加者から、物価上昇率が目標を上回り続ける場合、「政策金利の引き上げが適切になるかもしれない」との言及がありました。
- 雇用に対する下振れリスクが和らぐ一方で、インフレの高止まりリスクが強く意識されています。
- 大多数の参加者は、明確なインフレ抑制の兆候が出るまでは金利を据え置く構えであり、インフレ鈍化のペースは予想以上に遅れる可能性があると指摘しています。利下げ期待の修正が今後の株式市場の重しになる可能性があります。
日銀も利上げしますが米国も利上げフェーズに切り替わるなら再び日米金利差は縮まらないことになります。そうなれば再び円安ドル高が加速してもおかしくありません!
【3】イランに対する限定的な軍事攻撃の検討
地政学的な緊張も一段と高まっています。トランプ政権はイランに対し、核開発問題などでの合意を迫るため、限定的な軍事攻撃の選択肢を検討していることを明らかにしました。
■中東情勢の緊迫化
- 米軍は既に中東へ空母2隻を含む大規模な戦力を配備済み。
- トランプ大統領はイランに対し合意に向けた期限を設定しており、過去の空爆時のように期限を前倒しして行動を起こす可能性も否定できません。
- イラン側も反発を強めており、万が一軍事衝突に発展した場合、原油価格の高騰などマーケット全体をリスクオフに傾かせる引き金となるため、厳重な警戒が必要です。
来週24日にはトランプ大統領の一般教書演説が控えています。新たな関税政策の正当化や、イランに対する最終的な判断など、演説の内容次第でマーケットが大きく動意づく可能性があります。インフレ再燃の懸念と地政学リスクが絡み合う中、ボラティリティの拡大に備えたリスク管理が求められる局面といえそうです。
ドル円の方向性はハッキリせず


通貨強弱を見ると円高ドル高・円安ドル安と一緒に相関して動いていることも多かったようです。円高ドル高はドル円を含む全ての通貨ペアが大暴落する相関関係になるので注意が必要です。

日経平均は選挙が終わってから指数としては非常に強く高値圏内で推移し続けています。このまま強い流れが継続するのか? 高市政権の積極財政・インフレ政策から揺るがない株高であれば円買いは限定的になりそうです。
2月最終週となる2月23日(月)からの注目すべき材料・指標は次のとおりです。
■2月23日(月)
日本休場
■2月26日(木)
22:30~米新規失業保険申請件数
■2月27日(金)
22:30~米生産者物価指数PPI
25:00~月末ロンドンFIX
※2月アノマリー記事もご覧ください。
















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