まずは先週の振り返りです。
4月最後の注目材料も「日銀金融政策決定会合」のみとなり、市場は織り込んでドル円レートは152円台を2年越しにブレイクし上昇トレンドを強め高値圏内で推移し、「為替介入」がいつくるのかとトレーダーはやきもきしていたのではないでしょうか。SNSやニュースなどでも「為替介入はココで起きる!!」など憶測ばかりが飛び交っていました。
相変わらず前々日あたりから日銀の声明っぽい内容や財務相による「為替介入の準備は整った」などの「為替介入」に厳戒態勢すべく報道がたくさん出ていました。
しかし、4月26日(金)正午過ぎの「日銀声明発表」を終え15時半頃からの「植田日銀総裁定例記者会見」からドル円レートはジワジワと上昇を続け156円台に乗せてしまう。
会見が終わってアーリーロンドンでもドル円の上昇は止まることはなく156円台後半まで続伸。17時ジャストという驚きのタイミングで「為替介入」かと驚かされた急落は1分足で1円以上となり約3分で2円弱の暴落となりました。
ところがその急落も単なる押し目となり、あっという間に全てを戻し再び上昇を開始。
日銀は「円安が物価見通しの上方修正に若干の影響はあるが、今のところ大きな影響はない」と発言し、「国債買い入れ今までとおおむね同程度の6兆円規模」として何も変更しない姿勢を見せました。ドル円レートは欧州時間・NY時間に入っても戻ることはなく、飛び乗った人にしか無理なレベルで最終的にはNY大引けには158円台半ばまで円安を加速させました。
ドル円を月足レベルで分析しないと過去検証からは目先ターゲットは分かりません。1986年頃~1990年頃のレートである160円台半ば~164円半ばというレートですらスピードを速めるならあっという間に上抜いてしまいそうです…。
この1週間の通貨強弱を分析すると円安は加速したのは一目瞭然ですが、米ドルも強くはないもののやや売られ続けていた週でした。ユーロやポンドはほとんど強弱がついていませんが少し買われており、オセアニア通貨はかなり買い戻されています。特に豪ドルはNZドルの買いよりも2倍以上となっています。
「為替介入」もいつまでもやらないとは思えずトレーダーは危険レベルな歴史的な高値圏でトレードを強いられることを自覚しながらやるべきでしょう。気を付けてやっていきましょう!
4月最終週・5月相場の始まり、GW相場の始まりの週となる4月29日(月)からの注目指標や材料は以下のとおりです。
■4月29日(月)日本休場
■4月30日(火)ゴト日
18:00~ユーロ消費者物価指数HICP・GDP
■5月1日(水)米国と日本以外は休場
21:15~米国ADP雇用者数
23:00~米国JOLTS求人件数・ISM製造業景況指数
27:00~米国政策金利&声明発表FOMC/FRB
27:30~パウエルFRB議長の定例記者会見
■5月2日(木)中国連休
21:30~米国新規失業保険申請件数・貿易収支
■5月3日(金)日本休場・中国連休
21:30~米国雇用統計
23:00~米国ISM非製造業景況指数
などとなっております!
日本GWとなり各国の休場も多く薄商いとなるのも注意が必要です。ぜひ参考にしてみて下さい。
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