先週の為替相場振り返り
まずは、先週の振り返りから。
週明け21日(月)は「日本お盆休み明け」で始まりましたが、東京時間から緩やかなスタートで意外でした。
8月23日(水)の欧州PMIが欧州通貨を動かし、米国PMIによってドルも大きく変動することに!
◎8月23日16:15~
♦フランス製造業PMI速報値
予想:45.0 結果:46.4
♦フランス非製造業PMI速報値
予想:47.5 結果:46.7
サービス業のみ悪化 16:30~
♦ドイツ製造業PMI速報値
予想:38.7 結果:39.1
♦ドイツ非製造業PMI速報値
予想:51.5 結果:47.3
サービス業のみ悪化
◎8月23日17:00~
♦EU製造業PMI速報値
予想:42.6 結果:43.7
♦EU非製造業PMI速報値
予想:50.5 結果:48.3
サービス業のみ悪化 17:30~
♦イギリス製造業PMI速報値
予想:45.0 結果:42.5
♦イギリス非製造業PMI速報値
予想:51.0 結果:48.7
製造業もサービス業も悪化
◎8月23日22:45~
♦アメリカ製造業PMI速報値
予想:49.3 結果:47.0
♦イギリス非製造業PMI速報値
予想:52.2 結果:51.0
製造業もサービス業も悪化
どの国も製造業はまだまだ「50以下」と想定したようですが、サービス業の回復は「50以上」と正常値が予想され期待されていた感じです。
それを大きく下回った結果が速報値で出てきたので、ユーロとポンドは強く売られ、この流れは週末まで続きました。一方ドル売りは一時的となりジャクソンホールシンポジウム待ちに。
世界中が今年も注目した「ジャクソンホールシンポジウム」。特に毎年注目される25日(金)のパウエルFRB議長の講演では、
「追加利上げに関しては適切な場合には実施する用意がある」
「追加利上げの是非は慎重に進めるべき」
「インフレの持続的な鈍化まで景気抑制的な政策を維持する」
などなど、大きなサプライスはなくタカ派的な姿勢を貫く感じで、一方的に話した後はスグに講演はあっけなく終了…。相場も限定的な動きでスグに発言前に戻しました。
26日(土)はラガルドECB総裁の発言。
「ECBは必要なだけ高い金利を設定する」
「インフレ率を2%に戻す為に必要な限り十分に抑制的な金利を設定する」
などなど、こちらもタカ派的姿勢は変わらずでした。
27日(日)植田日銀総裁の発言。
「日銀が現行の枠組みを続けるのは低インフレが理由である」
「CPI生鮮食品は年内には減速する見込み」
などなど、まだまだインフレは低い水準とするなど、変わらずまったく動きそうにない発言となりました。
ドル円は11日(金)からみてもBOXレンジから抜けることはなく、下は144円を割れることもなく、上は146円台の年初来高値を大きく上には抜けれず反発しており、円安ドル高の流れではあるものの乱高下している状況です。
対してユーロドルはしっかり下降トレンドが持続しており、高値も安値もしっかりジワジワと切り下げなら推移しています。
1週間の通貨強弱を分析しても、ドル買い円売りは乱高下するも最終的にはしっかり乖離してきています。ユーロとポンドはPMIの速報値で市場は売りを選択し続けた感じです。
ある程度の調整などはあるでしょうが、この流れが8月最終週も続き9月への相場へも続くのか注目です!
月末リバランスによる急変動に要注意!
8月最終週となる28日(月)からの注目すべき指標・材料は以下のとおりです。
■8月29日(火)
22:00~米国住宅価格指数
23:00~米国JOLTS求人件数
■8月30日(水)
21:15~米国ADP雇用者数
23:00~米国中古住宅販売成約指数
■8月31日(木)月末最終日
21:30~米国個人所得・支出・PCEデフレーター
23:00~24:00月末ロンドンFIX
■9月1日(金)月初め
21:30~米国雇用統計
23:00~米国建設支出・ISM製造業景気指数
月末リバランスなど、月末特有のポジション整理などの大量の約定により急変動などが起きる場合もありますので十分にご注意ください!
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